手を差し伸ばせ

メッセージ

<ヨシュア記 8章1~23節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

ですから、私は目標がはっきりしないような走り方はしません。空を打つような拳闘もしません。

<コリント人への手紙 第一 9章26節>

メッセージ内容


序文)
仕事も恋愛も信仰も本気でなければそれは身につきません。経験し、学び、成長することのない人生は退屈なだけでなく、長い人生の目標を見失ってしまいます。もっと楽をしたいとか、面倒くさいとか、奇跡か魔法で何もかもが一度に解決することをぼんやりと妄想して過ごしているだけなら、本気で生きているとはいえません。今日の聖書個所のヨシュア記8章では、神がヨシュアの本気さをご覧になって、神も本気で彼を支えられたことが記録されています。18節において、ヨシュアが手に持った投げ槍を目標に向かって伸ばしている姿は、彼の本気度を象徴する姿ではないでしょうか。

本文)
ヨシュア7章を振り返えると、エリコでの大勝利にすっかり調子づいたイスラエルは敵を見くびった判断から、みじめなほどの大敗北を味わいました。その気のゆるみは神に対する態度にもあらわれました。アカンという人が神へのささげものの一部を横領する事件がありました。それらはヨシュアにとって谷底に突き落とされたように辛い経験となりました。ヨシュアは今日の聖書個所で本気になって悔い改めて真剣にやり直します。以前は見くびった1万2千人のアイの住民(戦闘員は2千~3千人程度)に対して、今回は全イスラエルの精鋭3万人を率いて立ち向かいます。それだけではありません。この戦いのためにできる限りの知恵を絞って最高の戦略を立てました。ライオンが小さなネズミを捕らえるために全力で向かって行くような雰囲気が感じられます。神はヨシュアにこの本気さを求められたのです。

適用)
私たちも自分の本気さをどのようにあらわしたら良いでしょうか。例えば

ヤコブ4章8節に「神に近づきなさい。そうすれば、神はあなたに近づいてくださいます。」

と語られています。本気で「神に近づく」とは、どういうことでしょうか。新約聖書の原語であるギリシャ語では、「近づく」とは、良い作品に仕上げるためにもっとモデルをよく見ようとさらに接近していく状況をあらわしています。従ってこのことばには作品に賭ける画家の本気さがあらわされています。仕事も恋愛も信仰も本気でなければ身につかないと言ったのはそのような理由からです。

例話1)
俳優であり映画監督のクリント・イーストウッド監督(アカデミー監督賞を2つ獲得)のことばにとても感銘を受けました。その一部分をご紹介したいと思います。
クリント氏は役柄を演じる時に、ただ外見だけでなく、その人物の生い立ちや、家族構成、趣味や性格など、その人の生きる姿勢や精神面での奥深い部分まで納得がいくまで調べあげ、どうしたらその人を演じられるか思考を重ねて、自分の知識と技術の限りを尽くして表現するよう努力していると言っていました。
一つの作品と真剣に取り組むたびに、自分が人間として、俳優としてそこから多くを学び、成長していくことが興行的に成功すること以上にやりがいを感じると語っていました。

例話2)
次に酪農の実習生を励ます牧場主のことばを紹介したいと思います。
7年前の3月11日の東日本大震災で被災した宮城県農業高校の女子生徒が、津波から生還した「奇跡の牛」とその子牛や孫牛を大切に育て続けていることがNHKアーカイブ・プレミアムで取り上げられていました。その生き残った牛の一頭が高齢となり病気がちで、搾乳量が激減しました。酪農担当の教師からこの牛の殺処分の話を聞かされた時、牛の飼育を担当していた女子高校生はとても悲しく、辛い気持ちになりました。
彼女はその年の夏に授業の一環として北海道の酪農牧場で実習を受けることになりました。その時に、そこの牧場主に牛に対する辛い気持ちを打ち明けて相談しました。そこの牧場には親牛と子牛合わせて130頭ほどが飼育されていました。そこでは事故や病気で亡くなる牛、高齢のため搾乳できなくなった牛のことが日常的にありました。牧場主は彼女に次のように話してくれました。「最初は自分もそのたびに落ち込んだり、酪農家として自信をなくしたりしていた。だがある時から、それは自分の技術が未熟だからだということを受入れた。何かあるたびに自分がもっと成長しなければと考えるようになった。明日のことでグズグズ悩むより、今日の自分ができる限り精一杯の愛情を牛に注いであげることが一番大事なことなんだと思うようになった。」
宮城の高校に戻った彼女は次の日から、毎日仲間とともに真剣に「奇跡の牛」の世話をしました。ある日牛舎に行くとその牛がいなくなっていました。これで良かったのだと自分に言い聞かせ、辛い気持ちを乗り越えました。最後に彼女はこうも言っていました。「いのちは意外と短い。だから大事にしていきたい。」と。彼女は「奇跡の牛」を飼育した経験からとても大切なことを学んだと思います。

決断と応答)
ある人は自分の人生がつまらないと言います。自分の思い通りにいかなかったからでしょうか。他人と比べて自分の状況が見劣りすると感じるからでしょうか。才能や能力に恵まれなかったからでしょうか。
しかし、今日神は聖書を通してあなたにひとつの質問をされています。「あなたは本気だったか」 「あなたの本気さを見せて欲しい」と。
胸に手を当てて思い起こしていただきたい。あなたに必要なものはひとつだけです。神はあなたの本心をご覧になって、それがあなたにあるのかを見ておられます。何事においてもあなたの本気を見せてください。それがあなたの生き方であるなら、神があなたに近づいてくださいます。

メッセージ内容のダウンロード(PDF84KB)

新聖歌

開会祈祷後:302番、メッセージ前:450番、メッセージ後:341番

聖書交読

詩篇 66篇1~20節

お知らせ

★本日礼拝後に1階にて徳本師夫妻の感謝会を行います。
★4月から千里教会の専任牧師として砂山師が就任されます。4月22日に審議委員の司式で砂山師の牧師就任式が行われます。徳本師は4月から第2週と第5週を広島西教会、第3週を山口県の周南教会にて礼拝説教の奉仕をされます。第4週はご夫妻ともに千里教会に出席され、N姉はその週の奏楽を担当されます。
★4月1日のイースター礼拝の特別讃美としてフルートの演奏をY.Y兄、ピアノ伴奏をN.T姉がされます。
★現在、療養中の兄姉のために平安と回復を祈りましょう。

2018年前半の主な教会/教団行事
3月17日(土) 教団協議会(大阪CGC)
3月18日(日) 徳本師夫妻感謝会、EBS卒業式(石橋教会)
4月01日(日) イースター礼拝(Y.Y兄フルート演奏)
4月08日(日) 合同記念会(服部霊園墓前礼拝)
4月22日(日)砂山智師牧師就任式(午後)

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