不従順が招いた敗北

メッセージ

<ヨシュア記 7章1~26節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

見よ。主の手が短くて救えないのではない。その耳が遠くて聞こえないのではない。

<イザヤ書 59章1節>

メッセージ内容


序文)
もし、「100万円盗まれたのと、鉛筆が1本盗まれたのとではどちらの罪が重いか」と問われたら、100万円の方だという声が大きいのではないか思います。しかし、盗まれた人がその人の親友であり、その鉛筆がお父さんから入学記念にプレゼントしてもらったとても大事なものだったなら、盗んだ人が失った友情と信頼はお金で計ることはできません。今日の聖書個所でアカンが盗んだものは繁栄していたエリコのおびただしい量の貴重品に比較すれば、それほどの金額ではなかったと思います。しかも、アカンはその全てを残らず返却しました。その処罰として一家全員が処刑されるというのはあまりに厳し過ぎるのではないかと思われます。アカンの不従順が招いた事件から神は私たちに何を教えておられるのか、掘り下げてみたいと思います。

本論1) ヨシュア記7章は、エリコでの大勝利のあとに起きた二つの罪の記録であり、それは互いに連動して起きていたことに注目しましょう。

第一に、勝利や成功のあとの高ぶった思いが慎重な判断を誤らせた
エリコでの大勝利はイスラエルとヨシュアにとって喜ばしいものであると同時に、人々を高ぶらせる誘惑になりました。ヨシュアは偵察から戻って来た者のことばを慎重に検証することもなく、12,000人のアイの住民を過小評価していました。その程度の相手なら兵士3000人だけで勝利できると判断しました。その結果、アイの住民の激しい反撃にあって兵士36人を失いました。兵士たちはすっかり怯え、背中を向けて逃げ帰るという惨めな状況でした。アイとの戦いでの敗北の理由について、13節で主はヨシュアに「あなたのうちに、聖絶のものがある。あなたがたがその聖絶のものを、あなたがたのうちから除き去るまで、敵の前に立つことはできない。」と言われました。この戦に敗北した原因は、第一義的にはアカンが聖絶の品々を盗んだ罪が原因となっていますが、この罪を生んだ背景として全イスラエルがエリコでの大勝利、大成功に浮かれ、すっかりうぬぼれて、心の油断があったことを見逃すことはできません。

適用1)
私たちは何もかもが順調で、すべてが調子良く行っている時こそ、予想もしていなかったような誘惑の落とし穴が潜んでいることを警戒しなければいけません。調子よく、皆が浮かれているその時こそ、実は最も危険な時でもあることを心に刻んでおきましょう。私たちはどうでしょうか。今日、自分のたましいに「お前は大丈夫か」と問いかけてみましょう。

本論2)
第二、アカンの置かれた立場が罪の誘惑と衝動を抑えられない状況をつくった
次に、アカンがどうしてこんなに大きな罪を犯したのかについて検証してみましょう。創世記49章において族長ヤコブは臨終の床から、ユダ族からイスラエルを納める王が出ることを預言して彼らを祝福しました。
アカンはラハブと結婚してダビデの先祖となったサルモンと同世代でした。系図のうえではアカンも同じように尊敬される立場にありました。イスラエルがエリコを攻略する時、彼はユダ族の指導者のひとりとして兵士たちを指揮する立場にありました。兵士たちが戦っている間、彼は兵士たちが家々から次々と分捕ってきた
高価で貴重な品々を集めて監督管理する立場にあったのではないでしょうか。21節に「私は分捕り物の中に〇〇があるのを見て欲しくなり、」と書かれています。アカンはそれらの品々の中に、かつてから欲しいと思っていたバビロンのブランドであるシヌアルの美しい外套(王侯貴族が着用)一枚を見つけました。アカンは今まで見たこともないような非常に多くの銀や金や貴重な品々を目の前にして、その中のほんのわずかな銀二百シェケルと、目方五十シェケルの金の延べ棒一本(銀1シェケル=労働者の1日分の賃金に相当)を盗み取ったところで誰にも分からないと思った瞬間、それが欲しくなり、衝動を抑えきれなくなりました。素早くそれを自分の持ち物の中に隠し持って、自分の家の床下に埋めて隠しました。

適用2)
立場が人を変え、人の心も変えることを忘れてはなりません。大きな力を与えられた人は、同時にそれを制御する力も伴わなければ、いつか暴走して自滅の道に向かいます。高い地位や人を指導する立場に立つ人も同じです。その人だけしか知らない情報や、特別な立場が自制心を失った時に誘惑になります。罪の誘惑は津波のように一瞬の衝動となって人を襲います。アカンの失敗から失った信頼と友情と尊厳をもう一度取り戻すのは簡単なことではないことを思い起こしましょう。

決断と応答)
最後に私たちが成功することより、勝利することよりもっと大事なみことばを噛みしめながら、応答の祈りをささげましょう。

「神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。」(Ⅰテサロニケ4:3)

今週も、神があなたとともにおられ、あなたも神とともに歩むことができますように。

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新聖歌

開会祈祷後:395番、メッセージ前:421番、メッセージ後:457番

聖書交読

詩篇 65篇1~13節

お知らせ

★14日(水)の水曜祈祷会はいつもの祈祷会の内容で行います。
★M姉は明日12日(月)9時から16時までの予定で手術を受けられます。お祈りしましょう。
★17日(土)大阪CGCにて行われる教団協議会に千里教会の代議員として徳本師とK姉が出席されます。
★18日(日)礼拝後、徳本師夫妻の感謝会を行います。
★療養中の兄姉のために平安と回復を祈りましょう。

2018年前半の主な教会/教団行事
3月17日(土) 教団協議会(大阪CGC)
3月18日(日) 徳本師夫妻感謝会、EBS卒業式(石橋教会)
4月01日(日) イースター礼拝(Y.Y兄フルート演奏)
4月08日(日) 合同記念会(服部霊園墓前礼拝)

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