メッセージ
<ヨシュア記 1章10~18節>
牧師:徳本 篤 師
開会聖句
お母様が行かれるところに私も行き、住まれるところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。
<ルツ記 1章16節>
メッセージ内容
序文)
箴言29章に
「幻がなければ、民は好き勝手にふるまう。」(箴言29章18節)Where there is no vision, the people perish(KJ訳英語聖書)
と書かれているように、人間本来の性質は「好き勝手にふるまう」ものです。そのヘブル語のイパーラーが「堕落」や「消滅」を意味することは、幻がなければ人は本来の目的を達成することなく滅亡への道を進んで行くことを暗示しているのです。ここでいう「幻」とは、<人の目に見えない将来の夢>のことです。イエス・キリストはそれを「神の国」の到来だと宣言されました。
1963年8月28日、ワシントンDCのリンカーン大統領記念堂に立ったマルティン・ルーサー・キング牧師は、広場に集まる25万人の人々に向かって「I have a Dream」という有名な説教をしました。
(抜粋)「百年前、ひとりの偉大なアメリカ人が奴隷解放を宣言した。しかし、百年たった今、私たちはいまだに自由を手にはしていない。(中略)今日の、そして明日の困難に直面してはいても、私には夢がある。将来いつか、幼い黒人の子どもたちが、幼い白人の子どもたちと手に手をとって、兄弟姉妹となり得る日がくる夢が。(中略)私には夢がある。いつの日か、すべての神の民が、黒人も白人も、ユダヤ人も、非ユダヤ人も、プロテスタントもカトリックも、すべての人が手に手をとって神に感謝し、ともに自由の喜びを讃美する日が来るという夢が。」
キング牧師が夢として語った説教の背景は、ガラテヤ3章に書かれています。
「あなたがたはみな、キリスト・イエスに対する信仰によって、神の子どもです。バプテスマを受けてキリストにつく者とされたあなたがたはみな、キリストをその身に着たのです。ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男子も女子もありません。なぜなら、あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって、一つだからです。もしあなたがたがキリストのものであれば、それによってアブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。」(ガラテヤ人への手紙 3章26-29節)
本論)
この夢は最初、創世記12章でアブラハムに約束された夢でした。
「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」(創世記12章1-3節)
アブラハムはこの地上に神の民による国家建設という夢が実現することを確信していました。
今日の聖書個所ヨシュア1章は、アブラハムから約500年を経たのち、イスラエル人は約200万人の大群衆となっていました。アブラハムの子孫である神の民によって、いよいよ神の国が建設される物語です。
この世の国は強い者が人々のうえに権力を振るって支配します。さらに強い者が現れてそれを打ち倒し、さらに大きな権力と支配を拡大しながら自分たちの国家を造ります。神の国はそれとは違っています。神が人々の中心となられ、権力をもって支配される国家です。今日の聖書個所の17節で各部族のリーダーたちがヨシュアに語ったことばがその特徴をよく表しています。
「私たちは、モーセに聞き従ったように、あなたに聞き従います。ただ、あなたの神、主が、モーセとともにおられたように、あなたとともにおられますように。」
ここで部族長たちはヨシュアに従うことが、モーセとヨシュアの神、すなわち「あなたの神」に従うことであることを告白しています。つまり「あなたの神は私たちの神」という告白こそが神の国を構成する基礎であり、権威の根源なのです。これがアブラハムの夢、イエス・キリストの夢、私たちの夢を実現させる力なのです。
適用)
人が人を支配する原則がこの世の原則であるとするなら、人と人とを神が支配される原則が神の国の原則です。それは夫婦の関係、家族の関係、職場の関係、社会や国家との関係に応用されています。
例えば、この世で最も難しい人間関係のひとつに挙げられる「嫁と姑の関係」について、聖書に信じられない出来事が記録されています。それはイスラエル人の姑ナオミとモアブ人(異邦人)の嫁ルツのことです。
この二人は違う民族俊て育ちました。当然のこと宗教、言葉、習慣、価値観も違います。さらに世代も違います。姑と嫁という義理関係が消滅したら、ふたりを繋ぎ留める条件も理由もありません。しかし、ルツは姑のナオミに言いました。
「お母様を捨て、別れて帰るように、仕向けないでください。お母様が行かれる所に私も行き、住まれるところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」
と言ったのです。この世で最も難しいふたりを強い絆で結び付けていたのは互いの「神」への信仰だったのです。
ルツはのちにダビデ王の曾祖母に、そしてイエス・キリストの先祖になる人物です。この同じ信仰による一体感は世代や民族の境界を越えて神の国とその民をひとつにする力があります。あのルーサー・キング牧師が語った「夢」もその力を信じるところから出てきたことばだったのです。
応答)
あなたの神は私の神。この原則から離れると私たちは幻のない民に陥ってしまい私たちの将来の夢は空しく消え去っていくでしょう。「あなたの神は私の神」。I have a Dream。私たちの教会を幻のないところにしてはいけません。
新聖歌
開会祈祷後:19番、メッセージ前:498番、メッセージ後:437番
聖書交読
詩篇 31篇1~8節
お知らせ
★本日の礼拝後に1月度の聖餐式を行います。そののち運営委員の讃美練習と話合いの時を持ちます。
★次週14日の礼拝は砂山師が説教されます。礼拝後、昼食とともに砂山師との交わりの時を持ちます。
★今月の主な行事は下記のとおりです。ご予定に加えてください。
★療養中の兄姉のために平安と回復を祈りましょう。
2018年前半の主な教会行事
※ 曜日の記載が無い限り全て日曜日です。
1月14日 砂山師説教/昼食と交わり/運営委員会
1月21日 年次総会(礼拝後)
1月28日 讃美礼拝(運営委員コーラス)
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