主の平安があるように

メッセージ

<テサロニケ人への手紙 第二 2章1~12節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

ですから、あなたがたは、今しているとおり、互いに励まし合い、互いに徳を高め合いなさい。

<テサロニケ人への手紙 第一 5章11節>

メッセージ内容


序文) エホバの証人の来訪
ある土曜日のお昼頃に、きちんとした服装で真面目そうな女性二人が笑顔を浮かべながら教会の玄関に立っておられました。見当は付きますが、教会である手前声を荒げることはせずに応対しました。彼女たちは説教の準備を中断してそこにいる私に向かって、「今の世の中は大変です。あなたは平安がありますか。」と話しかけてきました。私もわざとらしく「どちらの教会からおいでですか。」と尋ねました。エホバの証人だと告白するのを確認して「私の確信している信仰と聖書のみことばがあるので、お相手することは時間の無駄です。このままお引き取り下さい。」と相手に負けないくらい最高の笑顔で、丁寧にお断わりしました。知らない人たちが見たらきっと変わった者たちだなと思うかもしれませんね。
今日の聖書の箇所でパウロは「さて兄弟たちよ。私たちの主イエス・キリストが再び来られることと、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いすることがあります。霊によってでも、あるいはことばによってでも、あるいは私たちから出たかのような手紙によってでも、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いて、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。」と語っています。

本論) 
パウロは終わりの日のしるしとして3つの出来事に注目するように語っています。

第一に、「背教が起こる」ことです。背教とはキリスト教会の外部のではなく、内部から神に反逆する人々が起こることを預言しています。使徒ヨハネも「イエスを主と告白しない霊」と「偽教師たち」が起こることを預言しています。イエスを主と告白しない偽りのキリスト教のことを異端と呼んでいますが、そういう人々の活動が盛んになることを終わりの日のしるしとして取り上げています。

第二に、「不法の人が現れる」ことです。不法の人とはサタン自身ではありませんが、サタンの手先として活動するグループの存在です。かつてはネロ皇帝やヒトラーなどと言った歴史上の特定の人物をその人だと決めつけるという誤解をしたことがあります。同じ過ちを繰り返さないように注意しなければなりません。パウロはこの「不法の人」について、イエスがマルコ13章14節でダニエル11章36節の背景となったアッシリヤ王アンティオコス・エピファネス(BC175-163在位)という歴史上の人物をモデル(同一ではない)として、終わりの日に現れる「不法の人」の姿を描写されたのと同じことを、

2章4節で「 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。」

と語っています。
アンティオコス・エピファネスはユダヤ人にに対して実際にどのようなことをしたでしょうか。彼はユダヤ人を自分の思い通りに支配するために、ユダヤ人をギリシヤ化する政策を取ったことが記録されています。かつて日本軍も太平洋戦争時の占領下にあった満州や台湾やアジアの諸国において日本化政策を進めました。現地の人々に日本語を教え、神社を建て、天皇を拝むよう強要した歴史があります。
アンティオコスもそれと全く同じことをしました。ユダヤ人に対して、神殿での儀式や安息日、割礼や律法の書物の所持を禁じました。神殿にはギリシヤ教の主神ゼウス像を設置し、ユダヤ人にその儀式に参加することを強要したのです。命令に背く者に死罪をもって報いたため大勢のユダヤ人の血が流されました。ユダヤ人はゼウス像のことを「荒らす憎むべきもの」と呼んで忌み嫌いました。現在もユダヤ人は毎年12月頃に「宮きよめの祭」を行っています。これは自分たちの神殿がアンティオコスの支配から解放され、きよめられたことを記念する祭です。ヨハネ10章22節には、「宮きよめの祭」がイエスの時代に毎年守られていたことを記録しています。パウロはユダヤ人たちが記憶しているアンティオコスの事件をモデルとして「不法の人」の再来があることを終わりの日しるしとして取り上げているのです。

第三のしるしとして現在、「引き止める者が取り除かれる時まで、不法の人があらわれるのを引き止めている」ということです。パウロがこの真理を説明するときに「あなたがたが知っているとおり」と言っていることに注目してください。テサロニケの人々はすでにパウロが語っている内容を理解し、それを知っていることで安心していたということが語られています。 この「引き止める者」に対して、私たちは使徒2章の「ペンテコステ」の日に起きたことを思い起こします。イエスがオリーブ山から天に昇られたあと、聖霊が降られて教会が誕生しました。ローマ11章に「異邦人の完成のなる時」が書かれていますが、その時ペンテコステの日とは真逆のことが起こります。聖霊が教会から引き上げられ、イエスが再び天から降ってこられます。つまり教会時代が聖霊が引き上げられることによって終わり、7年間の大患難時代がユダヤ人たちに始まります。その場面において、すでに「引き止める者」として聖霊が引き上げられていますので、「不法の人」がエルサレム神殿にあらわれて、イエスを拒絶したユダヤ人たちにあのアンティオコスの時と同じことが起こるのです。

このように聖書の預言のことばを正確に理解し、その確信にしっかり立っておれば世間を騒がす様々なうわさやニセ預言者たちに動揺させられることもなく、落ち着いて生活することができます。

適 用)
パウロは異端の人々の活動が盛んになり、多くの若い人々がその教えに従っている現状について、それが教会の宣教活動の不十分さを責めるものではなく、イエスの愛と真理を受入れない人々がさばかれるためであると語っています。 真実な愛と確かな救いの情報だけが私たちの落ち着いた生活を支え、自分の生き方を正しく導き、将来のために良き備えを築かせてくれる土台です。それぞれがみことばに学び、教えられた通りに、神の前に正しいと確信したことを行い、その生き方を最後まで貫くところに信仰の本来の意味があり、それが生きる力になっているのです。あなたに真の「主の平安があるように」祈ります。

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新聖歌

開会祈祷後:137番、メッセージ前:254番、メッセージ後:247番

聖書交読

詩篇 146篇1~10節

お知らせ

★本日の礼拝後に11月度の聖餐式を行います。
★今週8日(水)に「おしゃべりティータイム」を行います。
★I.T・T.Tご夫妻に10月24日第二子(長女)が誕生。 朱里(あかり)と命名。産後の回復のためにお祈りください。
★本日午後3時からMB宣教センター建築現場において起工式が行われます。
★療養中およびご高齢の方々の平安と励ましのために祈りましょう。

2017年度後半の主な教会行事
11月26日 11月讃美礼拝 ムジカンパーニュ
12月24日 クリスマス礼拝/祝会/燭火礼拝

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