聖く生きる価値と秘訣

メッセージ

<テサロニケ人への手紙 第一 4章1~8節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

すべての人との平和を追い求め、また、聖められることを追い求めなさい。聖くなければ、だれも主を見ることができません。

<ヘブル人への手紙 12章14節>

メッセージ内容


序文)
日本の夏の観光地のひとつとして人気の高い郡上八幡の湧き水があります。この町には昔から特有の水利用の仕組みがあります。それは水舟と呼ばれ、湧水を引き込んで二槽または三槽で構成されます。これらの水槽の最初の水槽が飲用専用に使われ、次の水槽が食べ物を洗うのに使われ、最後の水槽が汚れた食器などの洗浄に使われるというルールです。そこで出たご飯つぶなどの食べ物の残りはそのまま下の池に流され、そこで飼われている鯉や魚のエサとなります。こうして水は自然に浄化されて川に流れ込むしくみになっています。郡上八幡の人々にとって湧き水はいのちの水です。人々は水舟の仕組みを大事に守りながら自分たちの湧き水を幾世代に渡って大切にしておられます。

本論)
さて、今日の説教の主題は「聖く生きる価値と秘訣」です。聖さの意味について、わが身を儀式的にきよめることではなく、この世からの分離だという神学的な話題ではなく、もっと、実用的で実践的な話題をともに考えたいと思います。聖く生きることにどんな価値があるのでしょうか。聖く生きる秘訣は何でしょうか。

1節でパウロは「終わりに」と語ります。これはこの手紙の実践部門である第二部としての冒頭をあらわすものです。パウロは第1章から第3章まで、互いに主イエスに結ばれている者として、パウロとテサロニケの人々、さらにはその近隣地域のクリスチャンたちとの親密な関係を取り上げ、聖徒の交わりの豊かで喜びと感謝に溢れた愛の交わりを描写しました。私たちは聖徒の交わりこそが教会の魅力であり、宣教の力であることを考えてきました。しかし、聖徒の交わりが本来の魅力と力を失わないために、それを大切にしていくための仕組みがあるのです。 郡上八幡の人々が水舟の仕組みを大事に守っている話を思い浮かべながら次のことばに耳を傾けてください。

パウロは3節でいきなり

「神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。」

と訴えます。パウロは聖徒の交わりにおいて、その第一番目に「聖くある」ことを取り上げた理由は、郡上八幡の人々が水舟の最初の水槽を飲み水専用として堅く守り続けているのと同じ理由です。この最初の水層が何者かによって汚されるなら、その後に続く水槽すべてに影響します。一度汚れた水は元のきれいな水には戻れません。ですから最初の水槽はどうしてもきれいな状態を保たなければならないのです。

第一の理由は、「聖さ」はいのちの水の源泉である神のご性質に深く関わることだからです。
ペテロは水源である神ご自身が聖いお方であるので、神に一番近い最初の水槽で生きる者はその影響を誰よりも間近に受けているはずだと語ります。 

「15 あなたがたを召してくださった聖なる方にならって、あなたがた自身も、あらゆる行ないにおいて聖なるものとされなさい。
16それは、『わたしが聖であるから、あなたがたも、聖でなければならない』と書いてあるからです。」(Ⅰペテロ1:15-16)

私たちに水源を大事にしようという意識が働いているのであれば、ペテロが言っていることばは私たちの心に響きわたります。

適用1)
現代風な考え方をするクリスチャンは、自分たちは何をしても自由、どんな罪人も神は恵み深い方だから許してくださる、と言っています。自由に振舞うことを問題にしているのではありません。自由の結果水源から湧き出るきれいな水を自分の水槽のところで汚してしまうことに何も感じない人がいるなら、どこが問題にあるのでしょうか。この人に何が欠けているのでしょうか。信仰が自由を束縛することは問題ですが、自由が信仰のつまずきとなることも問題です。神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。

第二の理由は、「聖さ」はこの世でキリスト者が生涯を通じて実践すべき目標だからです。

5節の「神を知らない異邦人のように」

とは、一般論として、当時の異教社会では夫が妻自害の女性と不倫関係を持つことや、独身の若者が風俗関係の店に出入りすることが公然と行われていたことを指摘しています。4節でパウロは、

「自分のからだを、聖く、また尊く保」

つことを勧めている。「からだ」:スキューオスとは「器、器具」をあらわします。別訳では脚注のところに「自分の妻」と書いています。自分の生き方に純潔と誇りを持ち、妻に対して純潔を守り、尊敬の気持ちあらわす、自分の仕事に対しても誇りとこだわりを持つ人になることです。

適用2)
自分の仕事に誇りとこだわりを持つ一流シェフが、不衛生な調理器具を使って料理を作り、それを不衛生な器に盛りつけ、平気で客の前に出すことが考えられるでしょうか。調理器具や盛り付ける器を清潔に保つことは、その人が自分の仕事をどれだけ尊いものと考えているかを示しています。このような意識を持たない人が一流シェフを目指すのは無理かもしれません。私たちは一流のクリスチャンにならなくとも、神と人に信頼される者であり続けることを生涯かけて目指していきましょう。

「平和の神ご自身が、あなたがたを全く聖なるものとしてくださいますように。主イエス・キリストの来臨のとき、責められるところのないように、あなたがたの霊、たましい、からだが完全に守られますように。」
(Ⅰテサロニケ5:23)

結論と適用)
今日私たちは、神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。というパウロのことばを聞きました。
第一の理由は、「聖さ」がいのちの水の源泉である神のご性質に深く関わることだからです。
第二の理由は、「聖さ」はこの世でキリスト者が生涯を通じて実践すべき目標だからです。
聖徒の交わりが魅力を失うことなく、力に満たされているために「聖くなること」を追い求めていきましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF135KB)

新聖歌

開会祈祷後:4番、メッセージ前:399番、メッセージ後:372番

聖書交読

詩篇 95篇1~11節

お知らせ

★本日礼拝後に1階会堂の清掃を行います。
★S.M兄は8月11日に退院されました。
★改修工事業者方々の体調と安全のために祈りましょう。
★療養中およびご高齢の方々の平安と励ましのために祈りましょう。

2017年度後半の主な教会行事
8月4日~31日 教会堂外壁改修工事期間
9月3日 改修工事完成記念感謝会
10月8日 特別讃美礼拝 ゲスト:マキ&リリー
10月21日 オータムフェスタ:NBC
10月29日 MB教団講壇交換
12月24日 クリスマス礼拝 祝会

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