生きて働く神のことば

メッセージ

<テサロニケ人への手紙 第一 2章13~16節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

なぜなら、私たちはみな、ユダヤ人もギリシヤ人も、奴隷も自由人も、一つのからだとなるように、一つの御霊によってバプテスマを受け、そしてすべての者が一つの御霊を飲む者とされたからです。

<テサロニケ人への手紙 第一 2章13節>

メッセージ内容


序論)
先週はテサロニケ2章前半で、神のことばは話し手と聞き手との信頼関係からなるコミュニケ―ションを媒体として心から心へと伝えられたことを学びました。今日の個所では、神のことばはそれを受入れた人のうちでどのような働きをするかということに注目したいと思います。

本論)
さて、2章13節でパウロはいきなり「神のことば」とは言わず、「神の使信のことば」と語っていますが、それはなぜでしょうか。それはパウロが伝えた福音がパウロ自身から発信されたのではないこと、すなわち、福音の発信者が神であり、パウロは神からの信託を受けて、それを異邦人に伝える使者であるという立場を強調しています。この背景には、パウロの宣教の働きに反対する偽教師たちが、パウロの伝えた福音がパウロ個人から出たものであり、あくまでも彼の個人的な見解に過ぎないと語っていたからです。とくに割礼派のユダヤ人の教師や異端の教師たちは常にこの考えを盾にして、自分たちの教えの正統性を強く主張していました。では、パウロが伝えた神からの使信のことばが本物であるという証拠は何でしょうか。それは神のことばとして受け入れた人々のうちに、神のことばが生きて働いていることだとパウロは言います。

パウロは自分が伝えた神からの使信のことばを、テサロニケの人々が神のことばとして受け入れてくれたことを、絶えず神に感謝していると語っています。パウロをそれほどに喜ばせているのは、ただ受け入れただけでなく、神のことばがテサロニケの人々のうちに働いて、彼らがユダヤのキリスト・イエスにある神の諸教会にならう者となったことです。

ユダヤの諸教会は、キリストに反対するユダヤ人からの厳しい扱いを受けていました。彼らはそのような状況の中でもイエス・キリストに対する信仰を大切に守り、キリストに従う生活を追い求めました。神のことばが彼らのうちに働いていたからです。

同じように、テサロニケの教会も、キリストに反対する同国民からの厳しい扱いを受けていました。それを心配したパウロはテモテをテサロニケに派遣したのですが、テモテからの報告では、テサロニケの教会がユダヤの神の諸教会にならって、イエス・キリストに対する信仰を大切に守り、キリストに従う生活を追い求めていることでした。この知らせは宣教者であるパウロをどれほどの感謝の気持ちにさせたか計り知れません。

「ならう者」と訳されるミメーテースは先の者の足あとに沿ってその後についていくことをあらわします。その関係性から「ならう者」は、キリストのからだとして、両者の一体性と信頼の強さをあらわすものとして語られるようになりました。その事例にエペソ5:1を挙げることができます。「ですから、愛されている子どもらしく、神にならう者となりなさい。」 最初の原型はイエス・キリストです、それにならったのが使徒たちでした。使徒たちにならったのはエルサレム教会を初穂とするユダヤにある神の諸教会でした。さらに使徒たちの働きによって次々に誕生した多くの異邦人教会も、ユダヤにある神の諸教会にならったことが思い浮かびます。
したがって、神のことばが生きて働くというのは、個人的な能力や、奇跡的な力や、不思議なしるしとしてあらわれるものではなく、それを受入れた人々のうちにキリストを原型としてそれにならう者の集団を形成する力、一つのからだとして互いを結び合わさせる力としてあらわれることが明らかになりました。

応答)
ユダヤのイエス・キリストにある諸教会とテサロニケ教会とを一つに結び付けたものは、人間的な能力や組織の権威や優れた伝統の力ではありませんでした。イエス・キリストが最高の存在であり、イエス・キリストによって明らかにされた神のことばこそが永遠に残る財産であることを確信して受け入れたことでした。

私たちも21世紀の日本というこの国において、キリストのからだとして一つに結び合わされたこと、聖徒たちの交わりに加えられたことは事実です。そのことが自分にとってどんな意味があるのでしょうか。自己満足によって怠慢にならず、自己過信によって高慢にならず、自分たちには神の諸教会にならうべきことがなお多くあることを覚えて、日々謙虚に信仰を守り、ひたすら前に向かって進むことを追い求めていきましょう。

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新聖歌

開会祈祷後:141番、メッセージ前:37番、メッセージ後:41番

聖書交読

詩篇 65篇1~13節

お知らせ

★本日礼拝後に讃美礼拝のため2階の礼拝堂の掃除を行います。
★次週の23日の讃美礼拝はM.A姉による特別讃美です。
★世界各地で働く宣教師およびそのご家族のために祈りましょう。
★夏季キャンプの奉仕者と参加者のために祈りましょう。
★療養中およびご高齢の方々の平安と励ましのために祈りましょう。

2017年度後半の主な教会行事
7月23日 讃美礼拝 M.A姉による特別讃美
7月30日 7月度運営委員会
8月7日~31日 教会堂外壁改修工事期間
9月3日 改修工事完成記念感謝会
10月8日 特別讃美礼拝 ゲスト:マキ&リリー
10月21日 オータムフェスタ:NBC
12月24日 クリスマス礼拝 祝会

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