母として父としての教え

メッセージ

<テサロニケ人への手紙 第一 2章1~12節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

あなたの父と母を喜ばせ、あなたを産んだ母を楽しませよ。

<箴言 23章25節>

メッセージ内容


序論)
1キリストの昇天後10年ほど経過したAD42年頃にパウロの開拓によってテサロニケ教会は誕生しました。その10年後のAD 51年頃にこの手紙が書かれました。パウロは滞在期間が二週間という非常に短期間で生まれたこの教会をとても気にかけていました。遠く離れていても、パウロは手紙によって教会の実際的な問題に触れて信仰的面で支援し続けていたのです。
この手紙が書かれた目的は、パウロが離れて行った後に、愛弟子のテモテを調査のために派遣すると、表向き愛にも信仰にも熱心な教会でしたが、偽教師が忍び込んで来て、パウロが伝えたキリストの福音とは別の教えを持ち込もうとしていることが分かりました。偽教師たちは今すぐにもキリストが再臨されるので、落ち着いて仕事をすることより、毎日教会に集まって祈ることを勧めたり、再臨の前に天に召された人々は復活も永遠のいのちも持たないまま滅びていくと教えました。
純真で信仰熱心な教会だったはずが、どこかに風穴があいたような隙間風が吹き始めていました。パウロはこの問題を解決するために、この第一に手紙、そして第二の手紙を書きました。

ところで、教会で起きる紛争や分裂などの原因は、多くの場合、教理そのものより、見えないところに潜んでいる教会員同士の信頼関係の欠如にあると言われます。ですから、問題解決を焦って、互いが自分と意見の違う部分、相手の不備なところ、欠点や欠陥部分、過去の失敗を取り上げて攻め合うことは的外れということになります。問題の背後に潜む本質的な原因を見逃さないようにすることが大事です。

本論)
今日の聖書個所を見ると、パウロはいきなり本題である教理の解説に入る前に、テサロニケの人々との信頼関係を確認し深め合うことを優先しているところに注目してみましょう。

信頼関係の不足は、コミュニケーションの不足から生まれます。コミュニケーションは共通の話題から生まれます。そこで、パウロがどのように実践しているかに続いて注目してみましょう。

最初の共通の話題は、パウロ自身の宣教に対する心構えについて告白しています。(3節~6節)パウロの宣教の働きは、自分を喜ばせるためではなく、相手にうまく取り入るテクニックを用いるのでもなく、ただ神に認められ、神に喜ばれることを心から願ってそのようにしたと告白しています。結局、神に喜ばれることが、相手を喜ばせることになり、そして最後に自分も満足することができます。順番がこれとは逆になるとコミュニケーションにトラブルが起こります。教会ばかりでなく、職場や家庭の問題も同じ原理が働きます。

次の共通話題は、パウロが宣教者として、幼子を懸命に養育する母親のように、独り立ちするわが子に威厳をもって訓育する父親のように振舞ったことを告白しています。(7節~12節)パウロはかつてテサロニケの人々とともに過ごした日々を思い浮かべながら、お互いに苦労したことや困難を分かち合ってきたことを思い起こすように語りかけています。
これはまさに失われたコミュニケーションを回復させる模範としてすばらしい方法です。この手紙が読まれる時に、人々はパウロとともに過ごした懐かしい日々や、数々の出来事を思い起こしたことでしょう。人々はかつての日のように、パウロが語ることばに真剣に耳を傾け、ひと言も聞き漏らさないようにしようとする思いがよみがえってきたのではないでしょうか。 そのように心から信頼して神のことばを聞くことができるのは、私たちにとって何ものにも代えられない喜びです。ただ懐かしさにふけるのではなく、神のことばを聞くことの新鮮な喜びを取り戻したのです。耳を閉じることは、心を閉ざすことです。心を閉ざすと人は孤独になり、感情が暴走するのです。

適用)
私たちもキリストのことばが機械的に語られ、それを信じて救われのではありません。私たちはキリストのことばを語ってくれた人のキリストを敬う心とともにそのことばを聞いたのです。キリストのことばはその人の生き方や人格に大きな影響を与えていることを見て、感じて、この人が語ることばは信用できると判断したのです。信頼関係がコミュニケーションを成立させたのです。もちろん、その人の行いが立派だったということだけではありません。それ以上に、その人のキリストに対する姿勢や生き方です。キリストを心から敬い、人生のすべてにおいて神を第一のものとしてあがめていることです。

応答)
私たちがこの手紙から教えられることは、人と人とのコミュニケーションは、神と人とのコミュニケーションを映す鏡のようです。神と人とのコミュニケーションだけを強調して、人と人とのコミュニケーションが軽視されることも、また、人と人とのコミュニケーションだけを強調して、神と人とのコミュニケーションが軽視されることも、どちらも不完全です。神とのコミュニケーションは、人とのコミュニケ―ションと一体であることを、私たちの心にしっかり心に刻んでおきましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF74KB)

新聖歌

開会祈祷後:137番、メッセージ前:311番、メッセージ後:449番

聖書交読

詩篇 66篇1~20節

お知らせ

★今週12日(水)に7月度「おしゃべりティータイム」を行います。
★MB宣教センター建設資金のための短期教団債の返済が教会会計から順次行われることになりました。
★S.M兄は補助器を着けての歩行訓練に励んでおられます。
★療養中およびご高齢の方々の平安と励ましのために祈りましょう。

2017年度7月~8月の主な教会行事
7月12日 おしゃべりティータイム
7月23日 讃美礼拝 M.A姉による特別讃美
7月30日 運営委員会
8月7日~31日 教会堂外壁改修工事期間

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