荒野の独り旅で見た夢

メッセージ

<創世記 28章11~22節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

彼は夢を見た。見よ。一つのはしごが地に向けて立てられている。その頂は天に届き、見よ、神の使いたちが、そのはしごを上り下りしている。

<創世記 28章12節>

メッセージ内容

序文) 失われた神とのコミュニケーションの回復
学生伝道の指導者ビル・ブライト師が考案された「豊かな人生のための四つの法則」という小冊子があります。
第一の法則、神はあなたを愛しておられ、あなたの人生にすばらしい計画をお持ちです。
第二の法則、豊かな人生を自分のものにしていないのは、人が罪を犯して神から離れてしまったからです。
第三の法則、罪によって神から離れてしまった私たちと神との間にキリストが架け橋となられました。
第四の法則、事実としてキリストのわざを理解するだけでなく、キリストを個人的に自分の罪からの救い主として受け入れる時に、神の愛と計画を体験できるようになります。
この四つの法則を要約すると「失われた神とのコミュニケーションの回復」ということができます。本日の創世記28章の記録も「失われた神とのコミュニケーションの回復」を象徴するという点で共通しています。

本文)旅の途中で見た不思議な夢
創世記27章において、ヤコブが目の不自由な父をだまして兄が受けるべき相続の権利を横取りするという事件がありました。その後、ヤコブは兄の怒りと殺意から逃れるために遠くの親戚を頼って旅に出ました。その途中で野宿した時にヤコブは不思議な夢を見ました。
その夢の詳しい内容については創世記28章12節~22節に書かれています。それは、天から地上に向かって伸ばされた「はしご」と、その「はしご」の上を御使いたちが忙しそうに上り下りしている光景でした。
ヤコブにとって荒野の独り旅はさぞかし心細く、不安だったことでしょう。しかし、ヤコブはその旅において自分の本当の姿と真剣に向き合う機会を持ちました。ヤコブがそこで発見したことは、生きる希望を失うことは人のたましいの死を意味することであり、確かな希望はいのちの根源である生ける神とのコミュニケーションから出ているということです。この新しい発見は、ヤコブにとって生涯忘れることがない心の財産になります。

洞察)天から伸ばされた「はしご」の意味
ヤコブが見た夢を通して神は私たちにどのようなメッセージを伝えておられるのでしょうか。天と地との間の暗やみは、神と人との間のコミュニケーションが失われている状態をあらわします。そこに「はしご」が現れました。それは地上からではなく、神の御座をあらわす天から伸ばされていました。この夢の本当の意味を正確に私たちに解き明かしてくださったのは主イエス・キリストです。

第一に、はしごはキリストの重要な役割
イエスはヨハネ1章51で、「まことに、まことに、あなたがたに告げます。天が開けて、神の御使いたちが人の子の上を上り下りするのを、あなたがたはいまに見ます。」と言われました。そこでイエスはご自分がヤコブが見た夢の通りにそれが実現されることを明言されています。「やがて」と言われたのは、ご自分が十字架にかかり、死者の中からよみがえられる時のことです。その時が来ると、天から「はしご」が伸ばされていたように、天の御国と地上との間にイエスを通じてコミュニケーションが通じ合うようになるのです。ヤコブが見た「はしご」はイエスご自身のことであり、その重要な使命と役割をあらわしていたのです。

第二に、ヤコブの罪に対する神の赦し
ヤコブにとって逃亡の独り旅は、生きる希望のない旅でした。希望を失ったたましいは死んだも同然の有様です。ただ空しくて心細いものでした。これから先のことを考えると不安が募るばかりです。
希望のない暗やみの中で見た天から伸びてくる「はしご」は、ヤコブの孤独な心を励まし、それによって再び希望と生きる力を取り戻しました。旅の間中思い続けてきたことは、目の不自由な父をだましたことに対する良心の呵責でした。父はそのあとで赦してくれましたが、兄は怒っていました。きっと天の神も自分が犯した罪を責めておられるだろう、これから自分はどうなるのかを恐れていました。ところが、夢の中で天から差し伸べられた「はしご」を見たとき、神のみこころが分かりました。神は自分に向かって手を差し伸べておられることを理解しました。そればかりではありません、神が送られた御使いたちが、ヤコブの不安な気持ちや孤独な思いを父の御許に持ち運んでくれている様子が見えました。

第三に、天の父に届けるとりなし手
パウロは私たちの祈りが御霊のとしなしによって天の父に届けられていることをローマ8章26節~27節で語っています。「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御霊は、神のみこころに従って、聖徒のためにとりなしをしてくださるからです。」 ここでは御使いではなく、御霊がとりなしてとなっています。
そこでも、ヤコブが見た夢と同じように、パウロは私たちが自分のことばで表現できない孤独やさみしさ、怒りや叫び、恐れや不安、悲しみと苦しみなどが御霊のとりなしで、キリストを通して、父なる神の御許に届けられているという、コミュニケーションの実態について解き明かしています。

応答)あなたに差し伸べられた「はしご」に注目
今日、ヤコブが見た夢によってあなたに語られているメッセージについて考えてみましょう。それは、あなたのために神が「はしご」を備えておられることです。それは天の父がイエスととに、あなたとのコミュニケーションを実現するために用意してくださったものです。
今日、あなたの心に語りかけておられる父なる神のことばに耳を傾けてください。天の父はあなたを招いて言われます「ここに昇って来なさい」。 希望と生き甲斐のある豊かな毎日を神とともに歩んでいきましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF68KB)

新聖歌

開会祈祷後:4番、メッセージ前:275番、メッセージ後:510番

聖書交読

詩篇 24篇1~10節

お知らせ

★本日の礼拝後に5月度の聖餐式を行います。
★10日午前10時30分よりおしゃべりティータイムを行います。
★S.T姉の回復のためにお祈りください。
★Y.N姉の慰めと体調の回復のためにお祈りください。

2017年度前半の主な教会行事
5月28日 讃美礼拝 聖歌隊の合唱
6月04日 ペンテコステ礼拝
6月13日-15日 牧師研修会(能勢川キャンプ場)
6月24日 役員リーダー研修会
6月25日 讃美礼拝 Y兄姉による特別讃美

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