メッセージ
<創世記 26章1~25節>
牧師:徳本 篤 師
開会聖句
兄弟たちよ。もしだれかがあやまちに陥ったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。
<ガラテヤ人への手紙 6章1節>
メッセージ内容
序文) 偉大な父の二代目としての苦悩
フランクリン・グラハム師は若い頃に、自分が世界的に有名なビリー・グラハムの息子であることに重責を感じ、反抗的に振舞っていたという話は有名である。周囲からの期待がいつしか父親との比較に代わり、恵まれた立場が周囲の妬みと批判の対象にされる。良くて当たり前、期待された以上の成果を出さなければ評価されないのだ。今日の聖書に登場するイサクは、信仰の父アブラハムの息子として、二代目の重責を味わった人の苦悩を理解するうえで貴重な個所である。
本論) 創世記26章の出来事の概略
1 飢饉に見舞われた時に主の仰せに従ってペリシテ王アビメレクのところに行った。 1節~5節
2 神がイサクを祝福される一度目の約束。 3節~5節
3 アブラハムと同じようにイサクも身の危険から免れるために妻リベカを妹だと言った。 6節~11節
4 百倍の収穫と祝福をペレシテ人にねたまれる。 12節~14節
5 井戸をめぐってペリシテ人の嫌がらせ。 15節~21節
6 ベエル・シェバでの以前の生活に戻る。 22~25節
7 神がイサクを祝福される二度目の約束。 24節
洞察) 二代目としてのイサクの苦悩
イサクは生まれる前に神から約束された子どもであった。年老いて生まれた独り子として親の愛情を一身に受けた。神と人とに愛されたイサクの人生は何一つ心配するものはなかった。父の残した多くの遺産だけでなく、彼が生まれる前から彼のことを知っている忠実な古参の使用人たちも多くいた。あらゆる面であふれるほどに満たされていたことは、イサクにとって恵みであると同時に、二代目としての期待に添うべき重責に苦悩することもあったはず。陰で「頼りない二代目のボンボン」と思われていることは、イサク自身が一番よく知っていた。彼は苦しい戦いを乗り越えて勝ち取ったという経験をしたことがなかった。
今日の創世記26章での、飢饉の苦しみや土地や井戸の権利をめぐるペリシテ人の嫌がらせと争い、さらに27章では長男エサウに与えようとした祝福を次男ヤコブにだまし取られてしまった。これらの経験は、それまで波風一つ立たなかったイサクの人生で、生まれて初めて味わった誘惑と試練と挫折であった。そのような時もイサクは勇敢さに欠け、争いを避けてばかりだった。周囲の人々の目には頼りなく映ったことだろう。
例話) 大塚商会二代目社長の悩み
年商3400億円企業の大塚商会二代目社長の大塚裕司氏は柔和で優しげな雰囲気を持った、見た目だけでは如何にも「頼りない二代目のボンボン」と思われるような人物である。裕司氏には、かつて二代目という重責に行き詰まり、一度は会社を捨てる覚悟で自分の生き方を自問自答するときがあった。
創業時からの古参幹部たちは、小学生の頃から裕司氏をよく知っており、早く一人前にしようと張り切っていた。社内の誰もが将来の社長として接した。周囲からの期待はありがたいが、小学生時代を知っている大幹部から社長らしい「覇気がいま一つない」と言われた。それで幹部に色々指導をされるたびに、要求された以上のことをやってやろうと背伸びをしていたが、32歳のある時に行き詰まってしまった。その時は会社を捨てる覚悟で、ひと月ほど仕事を離れて自分の生き方を振り返る時を持った。自問自答の末に出した結論は「地に足を着けて自然体でいくしかない」だった。復帰した後、現在では大塚商会二代目社長として、裕司氏の自信と誇りに満ちた笑顔がそこにある。
適用) 神はどのように見ておられるか
イサクに何ができるか、彼が何をしたかという側面だけでイサクのことを評価したり、判断したりするのは正しくないと考えよう。人が思う理想的な姿はなくても、イサクにはいつも神がおられた。イサクの神は決して彼から離れられることがなかった。周囲が驚くような百倍の収穫はそれを裏づける証拠である。神は何かがある時だけでなく、何にもない時でもイサクのことを愛情深く見つめておられた。神は恥じることも、ためらうこともなさらずに、
「わたしは、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」
と語られるお方だ。イサクはイサクなのであり、彼らしい生き方が彼に一番ふさわしいことをしっかり理解しよう。
応答) 自然体こそ一番良いと考える
だから、私たちの人生も、誰彼のようである必要はないし、誰かの期待に応えるためのものでもない。どんなときでも、神とともにしっかり「地に足を着けて自然体でいく」のが自分にとって一番良いと考えることにしよう。
今日もあなたには神がおられることを素直に感謝し、そのことがあなたの誇りと生きる力になるように。
新聖歌
開会祈祷後:3番、メッセージ前:240番、メッセージ後:195番
聖書交読
詩篇 1篇1~6節
お知らせ
★本日礼拝後に4月度の聖餐式を行います。
★F.N姉、Y.N姉から電気ストーブと扇風機の献品がありました。
★石橋駅近くに建設予定の教団新施設の名称が「MB宣教センター」に決まりました。同じ施設内に神学校、教団事務局、図書館、教会教育推進会が設置されます。
2017年度前半の主な教会行事
4月04日(火) 福音聖書神学校2017年度入学式
4月16日(日) イースター礼拝(ムジカ讃美)
4月23日(日) 合同記念会(服部霊園納骨堂前)
4月30日(日) 北部地区講壇交換(藤野師来会)
6月04日(日) ペンテコステ礼拝
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