メッセージ
<イザヤ書 42章1~4節>
牧師:徳本 篤 師
メッセージ内容
序文)
「マッチ売りの少女」はアンデルセン童話の一つとして有名です。アンデルセンは、経済的に全く恵まれない少女時代を送った母親をモデルにして、この作品を作ったといわれています。
年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていました。 マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべてを売り切るまでは家には帰れません。しかし、街ゆく人々は、年の瀬の慌ただしさから、少女には目もくれず、目の前を通り過ぎていくばかりでした。
夜も更け、少女は凍えた手を少し暖めようとマッチに火を付けた。するとマッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、綺麗に飾られたクリスマスツリーなどの幻が次々に現れ、炎が消えると幻も消えるという不思議なことが起こりました。
天を仰ぐと流れ星がひとつ流れていきました。少女は可愛がってくれた祖母が、「星がひとつ流れると、魂がひとつ、神様のところへ引き上げられるのよ。」と、言ったことを思いだしました。 次のマッチをすると、その祖母の幻が現れました。マッチの炎が消えると、祖母も消えてしまいます。少女は手に持っていたマッチ一束すべてに火を付けました。祖母が傍にいて欲しかったからです。祖母の姿はとても明るい光に包まれ、少女を優しく抱きしめてくれました。ふたりは、輝く光と喜びに包まれて、高く、さらに高く引き上げられ、 やがて、もはや寒さもなく、空腹もなく、心配もない、神様のみもとへと昇っていきました。
明くる日、新しい年の朝、少女は売り物のマッチの束をたくさん抱えて幸せそうに微笑みながら死んでいた。「暖かくしようと思ったのだなあ」と人々は言いました。少女がマッチの火で祖母に会い、天国へ昇って行ったことを想像する人は、誰一人いませんでした。
信仰深いクリスチャンだったアンデルセンは、この物語を「かわいそうな少女の残酷な死の物語」として書いたのではありません。この世での繁栄や利益的な幸福だけにこだわる人々に、自分の大切な人のこと、愛する人のこと、神とともに永遠に安らかに住まう天国のことに目を向けてみよう、というメッセージだったのではないでしょうか。
本論)
聖書では罪人のことがよく出てきますが、それは、一般の人々が考えるような犯罪者ではなく、神に背を向けて旅をする人生の放浪者のことです。生きる目標もなく、向かうあてもなく、人生の意味も知らないままにさ迷い、ついに死んでいく姿です。キリストは罪人がそのように死んでいくことを、無関心のままやり過ごすお方ではありません。私たちを永遠の御国へと引き上げるために、地上に降りて来られた神の御子です。
パウロという人は、キリストに出会ったときに、はじめて自分が罪人であることに気づいたことを、
「私たちがまだ弱かったとき、キリストは定められた時に、不敬虔な者のために死んでくださいました。 私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます。」(ローマ5:6~8)
と、告白しています。
今日の聖書個所のイザヤ 42章1節~4節には、今にも消えそうな、私たちのいのちのともしびを、決して消さないように、暖かく守り支えておられる、救い主の姿として描かれています。
預言者イザヤは、それから400年後に誕生されるキリストのことを指して、「私たちの救い主」とは、どのようなお方なのかを、明らかに予告しているのです。
この預言のことばは、キリストが私たちの罪の身代わりとして十字架にかかり、死んで三日目に復活されたことによって、実現しました。神の約束が真実であること。永遠のいのちが事実であることを示されました。
誰でも、キリストのうちにあるなら、その人のいのちのともしびは永遠に消えることなく、キリストとともに生きることが明らかにされたのです。
適用と応答)
私たちがクリスマスを喜び、祝うのは、神の御子として降りて来られたキリストとの出会いがあるからです。罪の暗やみの中をさ迷っていた日々は終わり、暖かい光の中に移された喜びの日だからです。
きょう、この日を、心から喜び、祝いましょう。
新聖歌
開会祈祷後:75番、メッセージ後:99番
特別讃美
フルート演奏:Y.Y兄
お知らせ
★本日のクリスマス行事予定は下記の通りです。
10:30~11:30 クリスマス礼拝
12:00~13:10 クリスマス祝会
13:20~13:45 燭火礼拝
★Y.T姉が12月19日に召天されました。前夜式は20日、葬式は21日に行われました。ご遺族のためにお祈りください。
★2016年クリスマス感謝献金のご協力をお願いします。
★2017年新年聖会が1月1日午後3時から武庫川教会にて行われます。
2017年度前半の主な教会行事
1月1日(日) 元旦礼拝 午前11時開始
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