憐れみはさばきに優る

メッセージ

<ヤコブの手紙 2章1~13節>
牧師:徳本 篤 師

開会聖句

あわれみ深い者は幸いです。その人はあわれみを受けるからです。

<マタイの福音書 5章7節>

メッセージ内容

序文)

詩篇119篇130節に「みことばの戸が開くと、光が差し込み、わきまえのない者に悟りを与えます。」

と書かれているように、聖書は読む人の心の目を開き、新しい知識と確信を与えます。しかし、時には私たちの常識を打ち破り、古くから染みついた誤解や思い込みなどの過ちから目覚めさせることもあります。今日のヤコブ書2章から神は私たちのたましいにどんなことを示してくださるでしょうか。期待しましょう。

本論 1) 初代教会を理想視するわれらの常識と誘惑への警告
このヤコブ書が書かれたのは西暦45年頃です。ペンテコステによってキリスト教会が誕生してから12年しか経っていないまだ初代教会としてほやほやの時代です。ペテロもヨハネもそしてパウロがキリストの使徒として大活躍していた時代です。
私たちは歴史上この時代の教会が最も輝いていた理想的な教会であることを過剰に期待してしまいます。とくに宗教改革者たちが自分たちの理想的な教会として「初代教会」に帰ることを合言葉に掲げて、熱く語っていましたから、つい私たちは初代教会を理想化された完全な教会のように思い込んでしまったのかもしれません。
今日の聖書個所であるヤコブ書2章を開くと、その初代教会の現実の姿を知ってつまずきそうになります。初代教会で人がえこひいき扱いされたなんて、現代の教会でさえあり得ないことだと思いませんか。それが初代教会のありのままの姿だったのです。

◆適用 1)
ここから私たちが学ぶことは、理想的な初代教会のイメージを偶像のように勝手に造り上げてはならないということです。もしも、自分たちの理想とする教会のイメージと違うという理由だけで、クリスチャン同士が互いにさばき合っているなら神にとって迷惑なことであり、最悪の事態です。
私たちも同じように自分の偶像を密かに隠し持っていたなら、きょう、目を覚ますべき時ではないでしょうか。目を覚まされたなら、ヤコブのメッセージが確かにあなたのたましいに届いたことのあかしです。

本論 2) 神のみこころに従う勇気と決断をもつ自由
律法とは「ルール」「原理」とも訳すことができます。人はそれぞれに自分の価値観というルールや原理で物事を判断し、行動します。この手紙に書かれている教会の指導者たちの原理・ルールはこの世を支配している価値観によるものでした。見方によれば、彼らが行ったことは「賢い人」「有利な考え」「成功する」ことにつながっていたことだと思います。誰を相手にするか。誰と親しくするか。誰と手を組むかがこの世を支配しています。貧しい人を相手にする人、貧しい人と親しくする人、貧しい人と手を組む人はこの世では成功しないと誰もが考えています。彼らは正しいのです。彼らは罪人ではありません。彼らは皆が考えるように賢く振舞っていたのです。
しかし、キリスト者として見るなら彼らの考えは的外れです。キリスト者にはキリストの律法があります。その律法には「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」と命じられているからです。しかもヤコブは言います。これは自由の律法なんだと。彼らはこの世の価値観の奴隷であり、決して自由人ではありません。

◆適用 2)
もし自分の好きなことを、好きなやり方で、好きなようにすることを自由と考えるなら、その考えはまったく自己中心です。隣人のことを考えない、自分の欲望の奴隷です。
それとは逆に、隣人を喜ばすことだけを思い、相手が喜ぶやり方で、相手が求めることをみなしてあげることを隣人愛と考えるなら、その考えも自己中心です。神のみこころを考えないで、自分のしたいことだけをしているのですから、これも自分の欲望の奴隷です。
まことの自由とは神のみこころに従うことを勇気をもって決断し行動することです。この自由を妨げるものは何もありません。ヤコブはその自由の律法によって人をえこひいきする人々が神のみこころに違反しているとさばいているのです。彼らへのさばきは神の憐れみを失うことになります。

◆本論 3) 憐れみはさばきに優るとは
憐れみは貧しい人を上から見下して何かを援助することではありません。
神は私たちをひとりの人間としてどれほど深く愛し、慈しみ、大事に思っておられることでしょうか。
その同じ目線で互いを見るとき、私たちにも神の憐れみの心が分かります。
もし、神が愛されている人に憐れみを示さないのなら、神もその人から憐れみを取り去られます。

◆適用 3)
やがて私たちが神のさばきの御座に立つとき、憐れみを失った人への神のさばきがどれほど厳しいものかを思い起こすべきです。ヤコブの憐れみはさばきに優るという考えや行動は、神のさばきの御座を意識したところから生まれます。

結論と応答)
最期に、ヤコブ書に登場するように不完全な人間の中に絶えず働き続け、燃え続けている神の完全さこそが初代教会の希望と栄光と力の源であることを決して忘れてはなりません。

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新聖歌

開会祈祷後:420番、メッセージ前:447番、メッセージ後:399番

聖書交読

詩篇 22篇1~10節

お知らせ

★本日の礼拝後に9月度聖餐式を行います。
★本日予定の昼食は第二週に変更いたしました。
★入院中のF.N姉の回復のためお祈りしましょう。
★額賀師ご夫妻の第三期タイ宣教のために祈りましょう。

2016年度後半の主な教会行事
09月27日-30日  日本伝道会議(神戸市)
10月15日(土)  オータムフェスタ
10月23日(日)  MB教団講壇交換
11月20日(日)  讃美礼拝(マキ&リリー)※お知らせを8月30日に掲載しました!!
12月25日(日)  クリスマス礼拝/祝会

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