メッセージ
<ネヘミヤ記 13章1~31節>
牧師:徳本 篤
開会聖句
私は、神のご計画の全体を、余すところなくあなたがたに知らせておいたからです。
<使徒の働き 20章27節>
メッセージ内容
序文)
「完成する」という言葉には幾種類か表現があります
- 予定通りに仕事をやり遂げる finish
- 必要な条件が満たされる fulfill
- 欠けたところがない完全な状態 perfect
1 神のみわざ(例:天地創造と十字架の贖い)が完結したことをfinishであらわす
「こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。」(創世記2:1)
Thus the heavens and the earth were finished [KJV]
「イエスは、酸いぶどう酒を受けられると、「完了した。」と言われた。」(ヨハネ19:30)
he said, It is finished [KJV]
2 必要な条件がすべて満たされたことをfulfillであらわす
「また、あなたがたの従順が完全になるとき、」(2コリント10:6)
when your obedience is fulfilled. [KJV]
3 地上での人の行為が未完成な状態であることをnot perfectであらわす
「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。」(ピリピ3:12~14)
Not as though I had already attained, either were already perfect [KJV]
A 個人的な信仰生活、教会での様々な出来事について未熟な子どものようにつまずいたり、感情的にならないで、成人したキリスト者の目線で物事を考えるように勧められています。
「ですから、成人である者はみな、このような考え方をしましょう。」(ピリピ3:15)
B 個人的な信仰生活や教会生活について神の評価があることを忘れてはならない。
「なぜなら、さばきが神の家から始まる時が来ているからです。さばきが、まず私たちから始まるのだとしたら、神の福音に従わない人たちの終わりは、どうなることでしょう。」(第1ペテロ4:17)
For the time is come that judgment must begin at the house of God [KJV]
さばき/Judgment:神による審査を受けてその結果が評価されることです
義の基準/Justification:自分の考えと生き方の根拠または理由が問われることになります
本論) ネヘミヤ 13章01節~31節
ネヘミヤ記は12章がこの物語クライマックスになっています。もし、ここで終わっておればネヘミヤ記はイスラエルの人々がバビロンから帰還した後に、大変な労苦の末に城壁を再建し、信仰生活をモーセの時のように復興させたという美しい物語になったでしょう。しかし、実際にはその12年後に書かれた13章が続くのです。その内容はとてもつらくこ厳しいことでした。それは私たちの地上での生涯によく似たものです。
1 イスラエルの代表として祭司一族、レビ人一族に対するさばき
ネヘミヤ記の最初から問題の人であった祭司エルヤシブとトビヤとサヌバラテに対する厳しい扱いです。彼らの問題の根底にあったのが不適切な交友関係と婚姻関係でした。ネヘミヤは恐れることなくこの問題に立ち入って厳しい審査を行いました。
A トビヤとの交友関係と特別待遇についてのさばき
トビヤはアモン人(ロトの子孫でモアブ人の兄弟民族)の総督でした。トビヤ一族はすでにダビデ時代から大地主でした。彼らはユダヤ人として血統が認められなかったため財力にモノを言わせて祭司や貴族との婚姻関係をむすびパレスチナでの地位と勢力を拡大していきました。
B サヌバラテとの婚姻関係についてのさばき
サヌバラテはサマリヤ人の総督でした。エルヤシブはサヌバラテの娘ニカソを孫のマナセの妻として迎えていました。自分たちの職権や立場を利用して一族が安定し地位と財力を確保するためでした。指導者として不適切なことでした。民全体に多大な影響を与えていたはずです。
2 イスラエルの民全体に対するさばき
指導者への厳しいさばきに続いてイスラエルの民全体の信仰生活の乱れと霊的な堕落がさばかれました。それは人々の信仰生活の優先順位が狂い始めていたことをあらわしています。
A レビ人にはエルサレムの神殿の奉仕や門や倉庫の管理の仕事がゆだねられていました。
モーセの律法ではレビ人の生活をイスラエルの民全体が支えることで運営されることになっていました。人々がその約束を守らなくなったことからレビ人たちは生活のために、職場を離れて他の場所で働いていました。その悪循環が安息日にも影響していました。
B 安息日の律法が無視されていました。
イスラエルの人々は自分たちが聖なる国民であるという意識から遠のき、異教徒の生活習慣との区別が曖昧になり、安息日にも異教徒の商売人から日用品を買い求めていました。その曖昧さは家庭の価値観や教育にも影響していました。
C モーセが禁じていた異教徒との結婚が行われていました。
ネヘミヤは自分が行っていることが本当にそれで良かったのかを神に祈りながら、悩みの中でひとつひとつの問題に取り組んでいきました。
洞察と適用)
1 異邦人に対する考えにネヘミヤの時代とキリストおよび教会の時代には多くの相違点がある。
A キリストの系図 エリコの遊女ラハブ、モアブ人ルツ(マタイ1:3、5、6)
B テモテの家族構成 テモテの父と母(使徒16:1~3)
C 夫婦の教え 未信者と信者の夫婦(第一コリント7:12~16)
D 宣教師のビジョン ミッション系女学校(信仰的で賢明な女性は国の力になる)
決断と応答)
お互いの未熟さや不足しているところをさばき合うような子どもとしてではなく、成人したキリスト者としての視点から互いの個人生活、教会の在り方を評価するように努めましょう。
キリストによって完結された救いのみわざによって完全に救われた私たちです。しかし、地上では未完成な者たちです。その未完成なところから生じる様々な困難な問題に立ち向かい、信仰と知恵を働かせてひとつひとつ乗り越えながら完成を目指して行くことを神が期待しておられます。
新聖歌
開会祈祷後:308番、メッセージ前:206番、メッセージ後:394番
聖書交読
詩篇 148篇1~14節
お知らせ
★本日礼拝後8月度の聖餐式を行います。その後有志の方々で会堂掃除を行います。
★N.U姉よりお便りが届きました。U兄姉の平安のためお祈りしましょう。
★次週14日(日)の礼拝にはタイ宣教師の額賀潤二師ひとみ姉ご夫妻が来られて、説教と宣教地報告をしてくださいます。
午後から8月度運営委員会が予定されています。
#49-2514
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