メッセージ
<ネヘミヤ記 12章22~47節>
牧師:徳本 篤
開会聖句
しかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。
<ペテロの手紙 第一 2章9節>
メッセージ内容
序論)
最近TVのCMで「若いときは自分探しの旅に出るけど、これからは健康探し」というフレーズが気になっています。人はそれぞれ自分の生きる力を求めているように思います。ある人はそれを知識に求めています。健康な体力に求める人もいます。友達や仲間の助け合いにそれを探し求める人もいるようです。今日の聖書では、それとは別のもの。いつかでも変わらないもの。として、私たちが生きる力を紹介しています。
聖書に注目しましょう。ネヘミヤは親戚の人から祖国イスラエルの話を聞いてとても悲しみました。
ネヘミヤ書はそこから始まりでした。
イスラエル人は紀元前586年にバビロンに強制的に移住させられました。神の預言の通りそれから70年後に祖国に戻って来ました。ネヘミヤが聞いた話では、それからさらに70年以上も経過しているのにエルサレムの城壁は破壊された当時のまま放置されていました。イスラエルの人々は周辺諸国の人々に苦しめられ、生きていくだけでも精一杯という、希望のない日々を送っていました。とても城壁を再建するどころではないという状態でした。
ネヘミヤはペルシャ王の支援を受けて一時的にイスラエルに戻ってきました。それに励まされた人々は勇気とやる気を取り戻しました。数々の困難を乗り越えて城壁の再建をやり遂げたとき、人々は生きる自信と希望を取り戻しました。
しかし、ネヘミヤの使命はそれで終わったのではありません。彼も満足していませんでした。ネヘミヤはいつまでもそこに留まることができません。ですから、ネヘミヤがイスラエルの人々を思って、心から願ったのは彼らに生きる力すばらしさを伝え、その力の中に彼らがいつまでも留まることでした。
本論)
1 生きる力とは主を喜ぶことである。
ネヘミヤ8章10節はネヘミヤ書全体の中心だと思います。そこには
「主を喜ぶことはあなたがたの力です。」
というメッセージが語られています。ネヘミヤはこの真理のうえにイスラエルの人々を立たせたいと考えました。
今日の箇所である12章はネヘミヤの働きの最終課題として、城壁の奉献式を成功させることでした。
無事にこの行事を終えることが目的ではありません。ネヘミヤはこの奉献式を通じてイスラエルの人々が実際に「主を喜ぶことが彼らの力である」ことを体験させ、確信を与え、それを心に刻み込ませるチャンスだと考えました。
さて、この計画を人々に直に伝える役割を担ったのがレビ人(祭司)たちでした。ネヘミヤはこのアイデアをダビデ王から学びました。かつてダビデがしたように、祭司たちに主をほめたたえさせることにしました。
ダビデは主を喜び、主に賛美をささげることが人の生きる力であることを発見し、実行した第一人者です。
詩篇27篇6節で
「私は、その幕屋で、喜びのいけにえをささげ、歌うたい、主に、ほめ歌を歌おう。」
と告白しています。ダビデは同世代の音楽の達人アサフとともにイスラエルの礼拝音楽を完成させました。
2 喜びを見せるためには仕掛けが必要である。
ネヘミヤが取り組んだことは、レビ人たちが主を賛美する声と姿をイスラエルの人々に見せることです。これもダビデのアイデヤです。第一歴代誌16章4節に
「ダビデはレビ人に命じて、主を覚えて感謝し、ほめたたえるようにした。」
と書かれています。
さらにダビデは神から与えられた知恵と巧みなわざで、喜びを表現するために色々な仕掛けをレビ人たちに用意させました。
第一に、様々な楽器です。●管楽器:ラッパ、フルート、角笛 ●打楽器/大シンバル、小シンバル、タンバリン、ガラガラ ●弦楽器/リュート、十弦の琴、立琴
これらは巧みに構成されて、現在のブラスバンドのように力強く美しい音色で演奏されました。
第二に聖歌隊です。
「歌うたいは、アサフ族、百四十八名。また彼らには男女の歌うたいが二百四十五名いた。」
と書かれています。(ネヘミヤ7:44、67)四百名ほどの混声合唱隊が編成されました。
第三に、会衆讃美です。このときは女性も子どもも一緒になって大勢で歌いました。
城壁の奉献式ではレビ人たちがネヘミヤが指示した通りを行いました。指揮者を先頭にブラスバンドが行進しました。その後を四百名近い男女の聖歌隊が続きます。会衆もそのあとに続きました。彼らは城壁の上を二つの組に分かれて東側と西側とをそれぞれに行進しました。彼らが神殿の前の広場で再び出会うとその演奏と讃美の歌声は立体的になり、音量も2倍になりました。さらにそこに集まった大勢の会衆がともに讃美に加わったので、人々の喜びは頂点に達し、その喜びの歌声ははるか遠くまで響き渡ったと記録されています。
ネヘミヤはこのように「主を喜ぶことはあなたがたの力です。」というみことばを、人々に自分の目で見せ、耳で聞かせ、ともに喜びの賛美の中に参加させて、心の中に大きな絵を描かせたのです。
この後も生涯忘れることはないでしょう。
適用と応答)
現在の私たちはネヘミヤの時のような壮大な仕掛けと、熟練した大勢の働き手を持つことはできません。
しかし、私たちは心の中に同じ絵を描くことができます。彼らと同じ力が私たちの内に働くようにしなければなりません。その力を生涯絶やしてはいけません。
ネヘミヤが人々に見せたように、聞かせたように、「主を喜ぶことがあなた方の力だからです。」というみことばは、人の目で見ることができます。この力はともに参加した者であれば誰でも体験することができます。
あなたが生きる力を求めておられるなら、主を喜びましょう。そして、その力を私たちに見せてください。
弟子たちの失敗から私たちが学ぶことは何でしょうか。自分勝手な偽物のキリストのイメージを追い求めることを止め、まことの神としてご自身をあらわされた、エゴーアイミー(わたしだ)と言われるキリストにつながっているかということを、今日さらに確かなものにしましょう。
新聖歌
開会祈祷後:18番、メッセージ前:191番、メッセージ後:344番
聖書交読
詩篇 146篇1~10節
お知らせ
★S.T姉からお便りと献金が届けられました。現在も足の治療中です。お祈りください。
★8月は日曜日の昼食の用意と水曜日の祈祷会が休みとなります。会堂の掃除は毎週日曜日の礼拝後に行います。
★8月に行われる教団のキャンプは下記の通りです。
7日(日)~9日(火) 小学生上級キャンプ
9日(火)~12日(金) 高校生キャンプ
13日(土)~16日(火) 青年キャンプ
17日(水)~20日(土) 中学生キャンプ
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