神の都の生活に備えて

メッセージ

<ネヘミヤ記 11章1~24節>
牧師:徳本 篤

開会聖句

けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。

<ピリピ人への手紙 3章20節>

メッセージ内容

序論) 若い人が東京圏内に集中する理由
これには様々な意見がありますが、そこに人・モノ・経済・情報・サービス・都市機能・娯楽施設が集中していることです。
現在の日本の総人口は1億2696万人。首都圏の総人口は3600万人。その中でも東京都の人口は1360万人。日本人総人口が過去10年間に80万人減少する一方東京都の人口は過去15年間に160万人増加し、今後さらに増加傾向にある状況です。
今回の東京都知事選でも待機児童数8000人の問題をどう解消するかが政策の目玉に挙げられています。私の出身地である長崎県では待機児童数22人です。この問題の背後には明らかに若い人が東京に集中していることがあります。

本論)
今日の聖書個所には、これとは全く逆のことが問題になっていました。ユダヤの首都であるエルサレムに住むことを人々が避けていたことです。これも東京に若い人々が集中するのと同じ理由がありました。

今日の聖書個所には、これとは全く逆のことが問題になっていました。ユダヤの首都であるエルサレムに住むことを人々が避けていたことです。これも東京に若い人々が集中するのと同じ理由がありました。

●ユダヤの住民がエルサレムに移住することを嫌った3つの理由
1 当時のエルサレムには人・モノ・経済・情報が十分に満たされていなかった。エルサレムがユダヤ教の中心的地であったため、宗教的な偏見をもった多民族の人々から取引を拒否される恐れがあった。エレサレムに住むことはビジネスを円滑に進めるうえで不利益を受けと考えていました。

2 人・モノ・経済・情報が十分に満たされていないエルサレムは当然に都市機能も福祉的なサービスも不十分でした。すでに自分たちの共同社会をつくってそこに住んでいた人々はそこに住むことに満足していました。今更エルサレムに移住することは、それらのすべてを最初からやり直さなければなりません。そのためにかかる時間とお金ばかりでなく、近隣の住民との交わりを失うことを大きな損失だと考えていました。

3 エルサレムという場所柄から娯楽を楽しむ施設や習慣を色々と制限されることになる。人々は神殿の近くに住むとなれば今まで以上に宗教儀式や神のみことばに従うことを厳しく要求されることを嫌いました。たまには真剣になるのは良いが、24時間365日自由の無い生活は窮屈なことだと考えていました。

マタイ15:18でイエスは当時のユダヤ人のこのような態度を

「この民は口先ではわたしを敬うが、その心は、わたしから遠く離れている。」

と言って嘆かれました。

洞察)
さて、ネヘミヤはユダヤ人たちをエルサレムに集め、どうにかして神の都を立ち上げようと努めました。くじを引いて十人のうちからひとりという割合で半ば強制的に移住させたりもしました。そこまでしもネヘミヤ11章に記録されている人数を合計すると、わずか3,124人でした。それが男性だけで、さらに記録から漏れた人がいたことを考慮しても、全家族を含めても1万人をわずかに超える程度です。

この同時代のアッシリアの都市ニネベのことがヨナ書に出てきますが、ヨナ4章11節にはニネベには12万人以上の住民がいたと記録しています。
ちなみに吹田市の統計では2015年の千里山西1丁目~6丁目の人口は13,077人でした。
当時の世界においてさえ1万人という数字は力において勢いにおいて何と頼りなく思われることでしょう。

しかし、たかが1万人だからといって見くびってはなりません。ネヘミヤはこの人々のことを神に選ばれた神の民とみていました。彼らは後の時代のユダヤ教、そしてキリスト教の火種となるべき人々です。

2010年現在のユダヤ人の人口は全世界の0.2%に過ぎない1千5百万人です。しかし、ノーベル賞受賞者の3分の1をこの人々が独占しています。
さらに、クリスチャン人口は全世界の32%の23億人になっています。事実上世界最大の勢力を持つ存在になっています。

適用と応答)
火種はたとえ小さくともそれが木に燃えつくと森全体を焼き尽くすことさえできるのです。そう言えばペンテコステの日にバプテスマを受けたのも3千人でしたね。

パウロは「私たちの国籍が天にある」ことを告白しています。それは私たちが神の都の住民であるという意識を明確に持ち続けることをあらわします。その思いをもって自分の目の前に置かれた日常生活を真剣に生きるように考えることです。そのように私たちのうちに火種が燃え続けているように願い続けることです。

聖書のみことば

「わたしは、世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです。」(ヨハネ8:12)

メッセージ内容のダウンロード(PDF14KB)
※一部内容を修正の上、再更新しました。(2016/7/17 20:05)

新聖歌

開会祈祷後:4番、メッセージ前:399番、メッセージ後:468番

聖書交読

詩篇 128篇1~6節

お知らせ

★次週24日(日)讃美礼拝はM.A姉の特別讃美です。
★8月は昼食の用意と水曜祈祷会が休みとなります。会堂の掃除は日曜日の礼拝後に行います。

#49-2511

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