メッセージ
<ネヘミヤ記 9章1~15節>
牧師:徳本 篤
開会聖句
それなら、悔い改めにふさわしい実を結びなさい。
<マタイの福音書 3章8節>
メッセージ内容
序文)
聖書で「悔い改める」と翻訳されたメタノエオーとは、過去の罪の行いを反省し修正することではなく、神に立ち返ることをあらわしています。その違いについて次のように譬えることができます。前者は古いレンガの上に真新しいレンガを積み上げるようなものです。後者は土を掘り下げて固い岩盤の上に真新しいレンガを積み上げるようなものです。前者は見たところ新しくなったように見えますがそれは古いレンガに支えられている状態です。相変わらず古い性質がこの人を支配しています。後者は地味に見えますが固い岩盤に支えられている状態です。神がこの人を支配されます。さらにもう一つ忘れてならないのは、後者は土を掘り起こすことして堅い岩盤にまで達することができました。
今日の聖書の個所では、イスラエルの人々が神に立ち返えるためにきよめの集会を行ったことが記録されています。それはまるで土を掘り起こすように、自分たちの過去の記録をさかのぼりながら、神に選び出された民、神との契約の民、それでも反逆が繰り返えされたこと、悔い改めと回復の恵みの記憶を数えながらひとつひとつを辿って行きました。このような先輩たちの知識と知恵は私たちが人生に迷った時、あるいは信仰の再出発を願い求める時に、必ず正しい方向へと導いてくれるものだと確信します。
本論)
私たちは、
黙示録2章4節~5節に、「あなたは初めの愛から離れてしまった。それで、あなたは、どこから落ちたかを思い出し、悔い改めて、初めの行ないをしなさい。」
と書かれていることを知っています。
自分の過去の記憶を遡ってどの時点で判断と選択を間違えたかを思い起こすことによって、自分がどうして誤った道に迷い出たかが明らかになります。このように聖書は原点に立ち返って、自分が進んできた道を振り返りながら、そのところで思い起こした過ちを心から悔い改め、初めの行いにもう一度戻ることで、神との信頼関係が回復されていく、深い心の傷がいやされていくことを教えています。
今日の聖書個所に注目しましょう。
ここには回復の手順が明確に記録されています。これは私たちにも適用されるべきすばらしい真理です。
- 神によるアブラハムの選び、神とアブラハムとの契約に再び立ち戻る(7節~8節)
- 先祖たちが体験した出エジプト出来事、神とモーセとの契約を思い起こす(9節~15節)
- イスラエルの先祖たちが行った反逆の罪の確認(第一回目)(16節~21節)
- それでも神は約束の通りイスラエルに土地とその産物を与えられた(22節~25節)
- その後のイスラエルの先祖たちが再び行った反逆の罪の確認(第二回目)(26節~27節)
- さらなるイスラエルの先祖たちが繰り返した反逆の罪の確認(第三回目)(28節~30節)
- それでも神はバビロンから帰還する約束を70年後に実現された(31節~33節)
- さらなるイスラエルの先祖たちが行った反逆の罪の確認(第四回目)(34節~35節)
- 現在自分たちが奴隷状態であることと自分たちが犯した罪との関わりの確認(36節~37節)
- 再び神との契約を忠実に守ろうとする決心とその約束のしるし(38節)
適用と応答)
神に立ち返るために、なぜ自分たちの過去の記憶をかえりみる必要があるのでしょうか。それは私たちにとって過去のことが過去のものになっていないからです。私たち人間は、過去を引きずって生きる習性があります。ある人はトラウマになっている心の傷を背負っているために、何をやってもその過去の体験が忘れられず、そのことに苦しめられています。また、過去になんのこだわりももっていないようにみえる人でも、もし初めて会った人が初恋の人に似ていたりすると、相手のことを何も知らないのに好感をもったりします。逆にその人がかつて嫌いだった人に似ていたりすると、何もその人のことを知らないのに悪い印象を抱いたりします。
小さい時に犬に噛まれた体験のある人が、噛まれたことはすっかり忘れているのに何故だか犬が嫌いだったりします。
私たちが過去のことを本当に過去のものとして解決するために、過去の記憶の支配から解放されて新しい今を生きるために、過去に立ち返って記憶のひとつひとつを振り返り、それらすべての事実を認め、確認し、そのことを神のご支配に委ねていくことが大事です。本当に医者を必要とするのは病人だけなのです。キリストにひとつひとつを確認し、告白しするならキリストはそのすべてを赦して、きよめ、いやしてくださいます。
今日の聖書の個所で、特に重要なポイントが三つありました。第一に神による選びが揺るぎないことです。第二に神との契約は確かに実現することです。最後に、神の恵み深いご性質です。自分の過去とともにそれらを思い起こしてください。キリストという堅い岩盤の上に、神に愛されている者らしい生き方を築き上げてください。
新聖歌
開会祈祷後:28番、メッセージ前:384番、メッセージ後:449番
聖書交読
詩篇 126篇1~6節
お知らせ
★本日の礼拝後に7月度の聖餐式を行います。
★次週日曜日の午後から今月度定例運営委員会が開かれます。
★今月より新しい奉仕分担表に合わせ奉仕者が順次調整されます。
★一階旧牧師館改修工事の特別指定献金は6月末で18万7千円ささげられました。新しい礼拝堂の必要のために用いられます。
#49-2509
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