人生にチャンスは何度あるか

メッセージ

<マルコの福音書 6章14~29節>
牧師:徳本 篤

開会聖句

私たちは神とともに働く者として、あなたがたに懇願します。神の恵みをむだに受けないようにしてください。

<コリント人への手紙 第2 6章1節>

メッセージ内容

序論)
今日の聖書個所に登場するヘロデの先祖は、イスラエルの族長ヤコブの兄エサウの子孫で、イスラエルの南方に住む「エドム人」と呼ばれる人々でした。

ヘロデ大王は、紀元前70年頃に生まれ、ユダヤの大祭司ヒカノスの孫娘マリアムネと結婚しました。自分がユダヤ人である血統の正当性を確立しようとしました。

ヘロデは、当時エジプトの女王クレオパトラのもとにいたアントニウスの援助を受けてエルサレムを手に入れることに成功しました。ヘロデはその後もローマ政府に様々なかたちで忠誠をあらわします。ローマ元老院からの高い評価を受けて、ヘロデはついに「ユダヤ人の王」の称号を授かりました。

紀元前31年にアントニウスがオクタヴィアヌスに敗北すると、直ちにオクタウィアヌス側について彼に忠誠をあらわしました。このように自分の野心のために、ありとあらゆる努力を重ね、ついに「ユダヤ人の王」にまで上り詰めたヘロデ大王は、彼の一族にとって誇りであり、偉大な英雄という存在でした。

本論) 
ヘロデ大王の死後、遺言に従って腹違いの三人の息子、ヘロデ・アケラオ、ヘロデ・ピリポ、ヘロデ・アンテパスのそれぞれが領土を分割して受け継ぎました。やがて長男アケラオは王位から失脚します。次男ピリポは病弱で平凡な性格でした。三男アンテパスはかつて父ヘロデ大王のようにユダヤ全土を支配下に治めるような王権の復興を願っていました。

ヘロデ大王の孫娘であるヘロデヤもまた祖父ヘロデ大王のような偉大な王権の復興を願う女性でした。大王の腹違いの孫であるピリポと結婚して娘サロメをもうけますが、病弱で平凡なピリポとの結婚生活に満足できませんでした。やがて夫の腹違い弟である野心家のアンテパスに惹かれるようになり、ついに二人は結婚することになります。ところがこの結婚はモーセの律法が禁じている姦淫に値するものでしたので、バプテスマのヨハネは公衆の面前でそのことを厳しく非難しました。このようなヨハネの発言はヘロデヤの誇りと自尊心を激しく傷つけました。彼女にとってこのままでは我慢できないことでした。

さて、今日の中心人物となるヘロデ・アンテパスは、二心をもった典型的な人物です。ヘロデヤとの不道徳な関係を続けたいという情熱と、バプテスマのヨハネの神に対する純潔さのどちらをも慕っていました。ヨハネを殺そうする妻ヘロデヤの手から彼の身の安全を守るために、彼を捕えて幽閉するという妥協案を考えつきました。彼は自分の計画が上手くいったと思っていましたが、ヘロデヤとヘロデヤの娘サロメのことばによって思わぬ結果になりました。こうしてヘロデはヨハネを殺すよう部下に命じました。
適用)
野心家として強気に振る舞っていても、二心のアンテパスは最後まで自分の良心を貫くことができませんでした。結局のところ彼には三度のチャンスがありながら、その一つも活かすことができなかったのです。それが彼に対する神のあわれみの時だったのかもしれません。

  1. 当惑しながらもヨハネを尊敬し彼のことばを聞くことを喜びとしていた時:でも「受け入れなかった。」
  2. 部下たちの前でヘロデヤの娘サロメからヨハネの首を求められた時:でも「拒否しなかった。」
  3. イエスキリストのことを聞いて被害妄想に駆られた時:でも「赦しを求めなかった。」

<聖書のことば>

「あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。
ただし、少しも疑わずに、信じて願いなさい。疑う人は、風に吹かれて揺れ動く、海の大波のようです。
そういう人は、主から何かをいただけると思ってはなりません。
そういうのは、二心のある人で、その歩む道のすべてに安定を欠いた人です。」(ヤコブ1:6~8)

決断と応答)
私たちも「そのうちに」「そのうちに」という言い逃れを言い続けることの空しさに気づきましょう。
先のことばかり気遣って自分が不正なことにに妥協していることが示されたなら。
自分のしていることが神のみことばに忠実でないことを心に示されたなら。
いま神の前に自分の過ちや悔い改めるべき罪に気づかされたなら。

今日、みことばに従って、直ちにイエス・キリストに助けを求めましょう。
二心で誤魔化すことをやめて、言い訳ばかりして言い逃れるのではなく、直ちにキリストの御前を呼んで助けを求めましょう。

天の父は「苦しい時、困った時は、いつでも帰って来ていいんだよ。」と招いておられます。
イエス・キリストの救いを受け、汚れと傷をいやされて、新しい人につくり変えられて、あなたの帰りを待っておられる天の父のもとに立ち返って行きましょう。神のあわれみの時を無駄にしないようにしましょう。

メッセージ内容のダウンロード(PDF144KB)

新聖歌

開会祈祷後:212番、メッセージ後:341番

特別讃美

フルート演奏:Y.Y兄、ピアノ伴奏:N.T姉
「ロンドンデリーの歌」
「シャロンの花」 讃美歌 286番
「春の歌」 メンデルスゾーン作曲
讃美ボーカル:M.Y姉、ギター伴奏:Y.Y兄
「緑も深き」 讃美歌122番
「小さな祈り」

聖書交読

詩篇 96篇1~13節

お知らせ

★本日の伝道礼拝での特別讃美はY.Y兄のフルート演奏およびご夫妻による賛美をしていただきます。
★旧牧師館の改修工事が完了しました。29日の礼拝から下の部屋で礼拝を行います。そのための準備を本日礼拝後に行いますのでご協力できる方はよろしくお願いします。
★F.N姉・Y.N姉から献金が届きました。F姉は歩行リハビリに励んでおられます。お祈りください。

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