優先順位が計画を実現する

メッセージ

<ネヘミヤ記 5章1~19節>
牧師:徳本 篤

開会聖句

私は、自分の信じて来た方をよく知っており、また、その方は私のお任せしたものを、かの日のために守ってくださることができると確信しているからです。

<テモテへの手紙 第2 1章12節>

メッセージ内容

序論)
経済は人々が互いが助け合うために利用されるものです。一般消費者は農業・漁業生産者によって収穫された食料に対してお金を払って購入します。そのお金で農業・漁業生産者は収入を得ることになります。また一般消費者も工業や商業に働いて給与を得ます。それが生活のための資金になります。色々な事情で働くことができない人や医療費などの支払いのために、皆が少しずつ税金を払ってそれを分担し合います。税金によって私たちの社会は成り立っているわけですが、その税金を払うことが納得できない人もいます。国内企業の所得税は40%になっています。1億円の収益があった会社は4千万円の税金を払わなければなりません。遺産として高額な相続をした人も基礎控除額が定まっており5千万円+(1千万円×法定相続人の数)だけ税金が控除されます。妻と子ども2人が残された場合には8千万円以下であれば相続税の申告の必要はありません。但し、遺産が1億円であれば2千万円、2億であれば1億2千万円、3億であれば2億2千万円が課税されます。
4章の冒頭に登場するサヌバラテは先から居た住民たちのリーダー格で、彼はいつか全ユダヤ人を統治する支配者になることを願っている野心家でした。そんな彼らの前に、ペルシャ王アルタシャスタ2世からの支援を背景にいただいたネヘミヤがいきなり戻って来て、神殿の再建工事を先導し始めたわけですから、サヌバラテと彼と同じ感情を持つ人々にとって、これだけは黙って見逃すことができない問題だったわけです。

この度、パナマ文書問題で大きく報道されたのが世界の富裕層による節税対策としてのタックスヘイブンを利用していた著名人たちの名前が漏れたことです。タックスヘイブンとは極端に納税率が低いかゼロの地域の金融機関に隠し資産として預けることによって、納税の義務から逃れていることが公表されたことです。その総額2200兆円以上とも言われています。もし、この人々が一般の人々と同じように税金を納めておれば社会の事情も大きく変わります。脱税は犯罪ですが、それに近いことをして違法にはならないのでしょうか。ある一定の条件を満たすならばタックスヘイブンを利用することは適法と認められているので、それを取り締まることはできません。一般人には中々納得がいかない話ですが、今日の聖書の箇所でも同じような事件が起きています。

本論) 
ネヘミヤ5章で、一般のユダヤ人たちの生活はどのような状況になっていたでしょうか。
「飢饉」と「城壁再建工事」の犠牲とが重なったことによる経済困難な状況に陥っていた。
1節:工事を請け負った人たちは仕事のために農作業には手が回らなくなって食糧不足になった。
3節:この年の飢饉のために農家の人は自分たちの土地と畑を抵当に入れて借金した。
4節:貧しくなった人々は納税ができなくなり自分の土地と畑を抵当に入れて借金した。
5節:いよいよ追い詰められた人たちは自分の息子や娘を奴隷に売らなければならなくなった。
7節:土地の有力者、富裕層の人々は貧しくなったユダヤ人の同胞から担保を取って金を貸していた。
この行為はモーセが律法で禁じている

「金銭の利息であれ、食物の利息であれ、すべて利息をつけて貸すことのできるものの利息を、あなたの同胞から取ってはならない。外国人から利息を取ってもよいが、あなたの同胞からは利息を取ってはならない」(申命記23:19,20)

という律法に違反することでした。

ネヘミヤは彼らの行為を非難して言いました。

「あなたがたのしていることは良くない」(9節)

一体何が良くないことだったのでしょうか。
第一に、城壁再建と飢饉とのために人々が苦しんでいる時に個人の利益を優先している。
第二に、この非常事態のときこそ互いに助け合うべきなのに自分のことしか考えていない。
ネヘミヤが指摘していることは、この人々の行いが正しくないことよりも、彼らには神を恐れる心がなかったことです。生活と信仰の優先順位が崩れていました。その有様は神のみこころを停滞させるばかりか、異邦人からのそしりを受けかねない恥ずかしい状態だったのです。

適用)
1 主を恐れる思いが、人々の心から離れると神のみわざが停滞する。
恐れる(イーラー)とは、信仰深い考え方をする。敬虔な生き方を優先して選ぶ。心から神を崇敬する。畏敬の念をもって真剣に働く。神のみこころを尊重し同胞に対して敬意を払う。

2 恐れることの反対は、抗議する、異議を唱える、反対する、不服をあらわに示す、怒りをあらわす。
主を恐れる思いが薄まっていき、心が主から離れていくと不信仰と自己中心の動機が強まる。
生活と信仰の優先順位が崩壊する原因がそこにある。
目に見える城壁を完成できても、心の城壁・信仰の城壁は崩れそうで弱々しい状態であったのです。

応答と決断)
優先順位を整えるとことから始めなければなりません。
神のみこころを行うために、神を恐れるにふさわしい礼拝のあり方を見つめ直しましょう。自分のことも大事ですが、周囲の人々を大事に考え、信頼し合い、励まし合うべき意識を深め合いましょう。心の城壁がぐらついていないかしっかり見張っていきましょう。

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新聖歌

開会祈祷後:206番、メッセージ前:135番、メッセージ後:399番

聖書交読

詩篇 96篇1~13節

お知らせ

★本日礼拝後に5月度運営委員会が行われます。
★先週12日(木)から改修工事が開始されました。21日(土)に完了する予定です。なお、29日(日)から一階の部屋で礼拝を行う予定です。このための特別指定献金を募っています。
★22日(日)の讃美礼拝ではY.Y兄にフルート演奏をしていただきます。

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