メッセージ
<詩篇147篇 1~12章>
牧師:徳本 篤
今日のみことば
あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族はあなたによって祝福される。
<創世記 12章3節>
メッセージ内容
序文)
1980年代にヒットしたプロテストソングの中で「人々は地球がブルー色の美しい星だと讃え、平和と繁栄を歌っている。しかし、その人には世界の片隅で差別と貧困に苦しむ人のことが見えていない。紛争で家も家族も失い、不安の中をさ迷っている人々がいることさえ見えていない。」と歌われていました。これは自分たちの平和と繁栄だけを追い求めている一方で、貧困や病気に苦しんでいる人々への援助や、民族闘争に巻き込まれた弱い立場の人々への救援に無関心なことへのチャレンジです。
私たちは1995年01月17日午前05時46分に発生した阪神淡路大震災を体験しました。昨年2015年01月17日に20周年の節目を迎えた現在、神戸の街の復興状況やそこから蓄積された防災知識情報を風化させないことが語られています。これと対照的なことが2011年03月11日に発生した東日本大震災の復興において起きています。災害の規模と範囲の違いもさながら、津波による福島原発の破損事故の解決には課題が山積したままの状態です。NHKスペシャル番組「メルトダウン」で「高濃度汚染水は今も増え続け、昨年内に終了する予定だった処理作業はトラブル続き。海への汚染拡大も懸念されている。また、事故原因も解明されず、責任についても誰もとってはいない。」と報じています。
最も恐れるべき事態は、このような危険な状況に目隠しをして人々の記憶と意識からこの問題がなかったかのように消し去ることだと言われます。わが国ではこのような事件を取り上げた報道が自由に出来ることと国民が無関心でないことを感謝したいと思います。
本論) みことばは神の設計図
では、私たちは自分たちが住んでいる地上には様々な問題に満ちており、なお解決されていない状況の中において、この世界を創造された神をあがめ、そのみわざをほめたたえることにどんな意味があるのでしょうか。それは次のように考えることが可能だからです。
1 神をほめたたえる人はみことばを聞く人である。 Cf.ローマ10:17
2 みことばを聞く人はそれを実行する人である。 Cf.ヤコブ01:22
3 みことばを実行する人は神を身近に知る人である。 Cf.ヨハネ13:17
4 神を身近に知る人は神をほめたたえる人である。 Cf.ヤコブ04:08
みことばは私たちの未来の設計図です。もし、それが無視されたり、手抜きされたりすると、その被害をこうむるのはその家の住民です。近年、中国や台湾で起きた地震災害で、倒壊したビルの犠牲者になられた人々のことが報道される中で、そのビルが手抜き工事だったことがあります。安全よりも作業効率の方が優先され、人のいのちより利益の方が優先された結果ではないでしょうか。誰もがやっていることだからという言い訳が通るような世の中にしてはならないのす。では、だれがそれを判断し、決断するのでしょうか。
法律の力ではなく、警察の力ではなく、各個人の自主的な良心の判断と選択によるものです。その良心を支えているのが神への信仰であり、神をほめたたえる心です。
1 神をほめたたえる人はみことばを聞く人である。
2 みことばを聞く人はそれを実行する人である。
3 みことばを実行する人は神を身近に知る人である。
4 神を身近に知る人は神をほめたたえる人である。
詩篇147篇を開いてみましょう。どのようなことで神がほめたたえられているでしょうか。
01節~06節 「追放された」とは、直接にはバビロンに捕囚となったユダヤ人のことですが、未解決な問題の中に生きうごめく人々のたましいをあらわします。神は彼らをあわれんでいやされるお方です。人々を再び立ち上がらせる約束を実行する意志があり、その決意が変わらないことをあらわしています。それゆえ人々は神をほめたたえるのです。
07節~11節「食物を与える」とは力と繁栄の基礎部分をあらわしています。美しく着飾り、豪邸に住んで、大勢の使用人がいる人も、知恵と強さと力を誇るあらゆる動物も、そのすべての源が食物にあるのです。それが無くなればすべてが死に絶えます。それを誰から受けているかを知るゆえ人々は神をほめたたえるのです。
12節~20節「みことばを送って」とは、すべてのことを判断し、理解する知恵を得るのは、人の知恵ではなく、神が送られるみことばによることをあらわしています。どこにも真実が見当たらないとき、見せかけだけの平和に失望するとき、人々の心が氷のように閉ざされて孤独を感じるとき、真実と平和といつくしみが春を知らせる南風のようにみことばを通して私たちのたましいに届くときに、人々は神をほめたたえるのです。
決断と応答)
私たちが神をほめたたえるとき、この世の人々の苦難や悲しみに無関心であってはならないことです。神には彼らを救い出す意思があり、その決意がいつまでも変わらないことを思い出して神を讃美しましょう。
私たちが神をほめたたえるとき、神がすべてのいのちを生かし支えておられることを思い出して、それぞれに与えられたいのちを、それにふさわしく生きることを願って神を讃美しましょう。
私たちが神をほめたたえるとき、私たちが生きていく知恵としてみことばをくださった神を思い出して感謝しましょう。みことばは心の暗やみを追い出し、勇気と平和といつくしみを思い起こさせます。
賛美のない人生は希望のない人生です。賛美のない人生はいのちの目的を見失った人生です。
賛美のない人生は喜びを知らない人生です。神をほめたたえましょう。あなたの神を心から賛美しましょう。
新聖歌
開会祈祷後:37番、メッセージ前:272番、メッセージ後:358番
お知らせ
★礼拝後に一階の旧牧師館で2016年度年次総会を開催します。
★3月度の聖餐式は次週13日礼拝後に行います。
★Y.I姉は2月27日に召天され、29日に四国中央市で徳本師の司式により葬儀が行われました。ご遺族のために祈りましょう。
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