メッセージ
<詩編138篇 1節~8節>
牧師:徳本 篤師
開会聖句
主よ。あなたの御名のゆえに、私を生かし、あなたの義によって、私のたましいを苦しみから連れ出してください。
<詩編143篇 11節>
メッセージ内容
序論)
詩篇138篇は第2サムエル7章のダビデ契約に呼応するものであり、さらにはルカ1章のマリヤの受胎告知において成就するというつながりがあります。まさにクリスマスのこの時期にふさわしい聖書箇所だと思います。
本論)
詩篇138:1~3においてダビデの感謝の祈りが記録されている。何についてそれほどに感謝しているのかは第2サムエル7章をみなければ正確に理解することができません。
第2サムエル7章において、ダビデは主の守りによって長年のライバルであったサウルとの戦いに終止符が打たれ、イスラエルの周辺諸国を完全に支配下に置いた時にある思いが心に浮かびました。それは主の契約の箱がいまだに天幕に安置されていたからです。ダビデは主の御名にふさわしい神殿を建設しようと考えました。ダビデはその思いを預言者ナタンに告げ、彼に主のみこころを求めさせました。
ナタンから返ってきた主のみことばは実に驚くべきものでした。それは、ダビデがではなく、主がダビデのために一つの家を建ててくださるということです。家とは王国のことです。預言者ナタンは次のように告げ知らせました。ダビデの子孫からひとりの王が誕生し、その王座はとこしえに続くという約束です。このことは後の人々からダビデ契約と呼ばれるようになりました。それは旧約聖書の中で非常に有名な神の約束であり、私たちにとっても非常に重要な約束のことばです。
以上のように詩篇138篇の背景を理解すると、ダビデの喜びと感謝の気持ちがどれ程大きなものだったかが分かります。彼は心から主に感謝しつつ、「その約束をとこしえまでも守り、あなたの約束どおりに行ってください。」と祈ります。詩篇138篇8節でも同じことを伝えていることが分かります。
ダビデが主から約束のみことばを受け取った時から約1000年後のユダヤにおいて、ナザレという村にマリヤという敬虔な乙女がいました。彼女は処女であって、ダビデの系図に属する人でした。彼女がひとりで部屋にいた時に神の御使いガブリエルがあらわれ、
「こわがることはない。マリヤ。あなたは神から恵みを受けたのです。ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。彼はとこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがありません。」(ルカ1章30節~33節)
と語りました。パウロの従者であり、医者であり、歴史学者であったルカは、イエスの母マリヤから直接にそれらの出来事を聞き、ナザレのイエスこそ、主がダビデに契約されたダビデの子孫であることを証言しているのです。マタイも福音書の最初の部分で「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエスキリストの系図」と紹介しています。
洞察)
今日の詩篇では、ダビデが主から約束のみことばを受け取った時にどれほど喜んだが書かれています。138篇4節~5節を読むと、表現が大袈裟過ぎはしないかと思われます。それ程にダビデの感謝の気持ちが大きかったことをあらわしています。同じ気持ちがマリヤにもみられます。彼女がキリストを受胎した時の喜びを
「わがたましいは主をあがめ、わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。主はこの卑しいはしために目を留めてくださったからです。ほんとうに、これから後、どの時代の人々も、私をしあわせ者と思うでしょう。力ある方が、私に大きなことをしてくださいました。」(ルカ1:47~49)
自分のことを世界で一番幸せな女性と言える人は少ないと思います。それがマリヤの嬉しい気持ちがいかに大きかったをあらわします。
現在の私たちは、主がダビデに約束されたみことばがイエスキリストの誕生によって実現したことを聖書によって知りました。私たちの喜びはダビデ以上ですか。マリヤ以上ですか。当然彼らの何倍も何倍も喜び、感謝すべきでしょう。
以上まとめると、私たちがダビデやマリヤと同じように喜ぶべき二つの確かな理由があります。
1 主の約束されたみことばのとおりにそれが実現したこと
歴史的は出来事としての喜び。事実であることが証明されたという喜び。将来が保証されている喜び。
主によって語られたことは必ず実現します。私たちの頼るべきお方は人ではなく神です。みことばによってご自分のわざをなさる神です。この方を信じるとき、私たちは恐れるものがありません。
2 偉大な主が小さい者に目を注いで受け入れてくださったこと
ダビデが生まれる前から神は彼のことをご存じであった。彼を母の胎内で組み立てられたのは神だからです。彼の弱さも、欠点も、失敗したことも、臆病も、高慢も、欲望も、野心も、むさぼりも、妬みも、彼のことなら全部ご存知でした。それでも神はダビデを決して見放さないで、彼を生かし、彼の後の子孫のことまで心配して守ってくださるのです。ダビデが主のためにではなく、主がダビデのために家を建ててくださったのです。私たちが予想もしていなかった人生との出会い。小さくて情けないような自分が偉大な主に受け入れられたことを知るのは喜びです。
応答)
あなたの喜びの理由は1ですか。2ですか。どちらであっても、きょう。その喜びを主に向かってささげましょう。あなたの感謝と、真心と、忠誠を祈りとしてあらわしましょう。その喜びを持ちながら今年のクリスマスを迎え祝いましょう。
新聖歌
開会祈祷後:80番、聖書朗読後:177番、メッセージ後:358番
詩編交読
詩篇128:1~6節
お知らせ
★Y.I姉よりクリスマスの贈り物として「ミカン」が届きました。
★12月9日(水)午前10時30分から「おしゃべりティータイム」を行います。
★次週13日の礼拝後に女性会讃美練習。聖歌隊讃美練習、ムジカ讃美練習、その後12月度定例運営委員会を行います。
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