<マルコ 4章26~34節>
牧師:徳本 篤
今日のみことば
それは、からし種のようなものです。それを取って庭に蒔い
たところ、生長して木になり、空の鳥が枝に巣を作りました。
<ルカ 13章19節>
メッセージ内容
序 言)
今日の聖書箇所は「神の国」のたとえ話である。このたとえはキリストによって弟子たちにすべて解き明かされたものです。(4:34)
- 目に見えないことを理由に神の国を信じない人々:彼らにはたとえ話の意味が分からない。みことばを聞いても、それを理解できないので、彼らの人生は以前のまま変わることはありません。
- キリストを信じる人々:神の国はキリストによって開始されたことを理解し受け入れた人々です。
マルコ1:15「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」
と書かれています。
神の国こそは私たちが今までの自分の生き方を悔い改めて福音を信じる理由です。神の国がないのなら、福音を信じる理由がなくなり、信じる意味がなくなる。私たちが聖書のことばを学び、その教えを受け入れ、信仰を確かにすることすべてが神の国と密接につながっているのです。
背 景)
神の国とは何かを知りたいなら、今日の聖書箇所からもキリストはその一部分を教えておられます。
<国の3大要素とは:国民、領土、憲法>
- 国民について:アブラハム信仰の父の子孫、イスラエルとキリストの教会は信仰の子孫である。キリストは私たちをご自分の群れの中に加わるように道を備え、招いておられるのです。そして、招きに応じた人々はアブラハムの子孫として認められ、神の国の国籍が与えられます。これが福音と呼ばれるものです。
- 法について:紀元前1500年頃のモーセから紀元90年頃のヨハネまで約1600年間かかり、それぞれ時代や背景や職業の違ったおよそ40人の人たちによって書かれ、旧約39巻新約17巻合計66巻にまとめられた旧新約聖書、すなわち神のみことばがそれです。キリストは私たちに神のみことばを信じ、そして私について来なさいと招いておられます。それが私たち信仰者の姿勢です。
- 領土について:キリストは12弟子たちに次のように宣言されました。
「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28:18~20)
キリストを信じる者は、天に国籍を持つだけでなく、この地上においてキリストの使命に仕えるしもべたちの集団なのです。ですから地上での労苦が何一つ無駄になるものがなく、その結果と報酬を天において受けることになります。忠実な人々は後の日にキリストから大きな祝福を受けることが約束されています。それは金や銀や財産にも優る、キリストとの変わらぬ友情と信頼です。これが私たちの地上での人生の目的であり、教会生活の目的であるのです。
本 論)
今日の聖書から、神の国の特徴のあらわれ方が教えられています。
1)「人手によらず実をならせる」(4:28)
2)「生長してどんな野菜よりも大きくなる」(4:32)
このたとえは一つのことを約束しています。 あなたの地上での労苦が何一つ無駄にならないことです。
- 種を蒔いた人は、すぐ、その結果を知りたいと思います。すぐに実を刈り取りたいと思います。しかし、実際はどうでしょうか。見たところ、蒔いた時とすこしも変わらないようです。本当にこれで良いのかと心配するでしょう。さて、次の日はどうでしょうか。やっぱり蒔いた時と変わりません。人はそのように考え、そのように見ます。しかし、蒔かれた種はどうなったかというと、地の中で芽を出し、細い根を伸ばし始めているのです。夜になると人は眠ります。しかし、そうしている間にも土の中で種は成長しているのです。みことばの種も同様です。すべての種にすばらしいいのちが宿っているからです。
もし、自分の将来のことや、明日のことが心配だという人がいたら、蒔かれた種のことを思い出してください。蒔かれるとは、キリストを信じて、そのみことばに従って歩み続けることです。
あなたが知らない間に、その種に宿された神のみわざは働き続けるのです。ただあなたの成すべき仕事は、収穫の時を忍耐強く待ち続け、豊かに実った実を刈り取ることです。それは信じて待ち続けた人だけ味わう喜びの時です。 - からし種はユダヤ地方では「地に蒔かれる種の中で一番小さいの」と言われています。私も本物のからし種を持っていますが、米粒の20分~30分の1くらいの大きさです。イスラエル旅行に行った人がお土産に購入したからし種を神学校の庭に蒔いて育てました。確かに2メートル以上の木のように堅い茎を持った野菜に成長しました。私が現在持っているからし種はその木になった実のひとつです。
つまり、最初みことばの種はからし種のように、人の目にはあまりにも小さくて、頼りなくて、役に立ちそうに思えないものに見えるものです。しかし、ある人たちの心に蒔かれた種はどんどん生長し、大きくたくましくなっていくのです。やがて、そのすばらしさに気づいた周囲の人々がその人たちのところに集まってくるようになるのです。
結 論)
今日のみことばは、あなたがキリストを心から信頼し、心に蒔かれた神のみことばに従い続けるなら、あなたが地上で経験する苦労が何一つ無駄にはならず、天においてあなたが受ける報いが大きいことを約束しています。それは金や銀や財産に優る、あなたの大事な宝です。
ですから、今、あなたの心をくじいたり、躓かせたり、忠実な奉仕とあかしを妨げようとするものがあるなら、それらをキリストの御名によってあなたから退け、決してそれらに邪魔をさせないようにしましょう。
「あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。」(マタイ6章21節)
新聖歌
開会祈祷後:117番、メッセージ後:415番
特別讃美
フルート二重奏 Yさん、Aさん
「目覚めよと呼ぶ声あり」 コラール (バッハ作曲)
「二つのフルートのためのソナタ」 無伴奏 (テルマン作曲)
お知らせ
★八月は水曜祈祷会をお休みにします。次週から礼拝後に会堂の掃除を行います。
★夏期キャンプシーズンを迎えます。それぞれのキャンプが祝福されるようお祈りください。
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