メッセージ
<ヤコブの手紙 3章13~18節>
牧師:徳本 篤 師
開会聖句
しかし、上からの知恵は、第一に純真であり、次に平和、寛容、温順であり、・・・
<ヤコブの手紙 3章17節>
メッセージ内容
序文)
Ⅰコリント8章1節に「知識は人を高ぶらせ、愛は人の徳を建てます。」
と語られています。パウロは人の争いの原因となっている「人を高ぶらせる」ような知識は、彼が「神を知らない」人だと語りました。同じように今日の聖書個所で、ヤコブは人の内から「ねたみと敵対心」が生じる人の知恵は、神からのものではなく、「地に属し、肉に属し、悪霊に属する」知恵であると断言しています。
私たちの社会において、教養がある賢くて立派ない人だと思われていた人が時々愚かなことをして世間を騒がせる話題になることがあります。聖書が木はその実によって判断されると語っているように、私たちの内にある知性や人格は直接に目で見ることはできませんが、外部にあらわれたその人の行動によって評価されるものです。
本論)
ヤコブ3章17節の「上からの知恵」の第一の特徴として書かれている「純真」とは、「心に偽りがない人の特徴」をあらわすものです。 ヨハネ1章47節で、イエス様はナタナエルという人に向かって
「これこそ、ほんとうのイスラエル人だ。彼のうちには偽りがない。」
と語られたことは有名です。
「偽りがない人」とは、正直な人、疑いのない人、信用して間違いない人、言われたことを本当にやる人の特徴として語られます。イエス様はナタナエルをご覧になって、彼のことをそのように評価されたということは素晴らしいことです。それ以後ナタナエルの名前が表舞台に登場することはありませんが、私たちは自然にこの人に対する尊敬と信頼を感じます。土に埋もれてもダイヤはダイヤであることに変わりありません。
さらにヤコブは偽りのない心から、本当の平和、寛容、温順、あわれみが生まれてくると語ります。それがその人の良い実となってあらわれ、神もまたそれを彼の義の実として評価されるのです。
「良い実:アガソス」は、その人の働きの結果が(有益で好ましい、良いとみなされる、尊敬される)ことをあらわします。良い実とは、対人的な視点からその働きが「良好」であると評価されることあらわします。
「義の実:ディカイオスネー」は、その人の働きが神の御前で正当なこと、その根拠とする基準や判断が正しいことをあらわします。義の実とは、対神的な視点から「正当」であると評価されることをあらわします。
適用)
今日の聖書個所でヤコブが語っているのも人の人格はその人のうちに宿る知恵によって形成されるものである。その人の知恵が生まれつきの性質である「地に属し、肉に属し、悪霊に属する」ものから出ているものであるのか、神から与えられたものであるか、その特徴と違いが明白にされていなければ、私たちの判断は確信を欠いたものとなり、その結果、様々な局面で混乱を招くことになると指摘しているのです。
自分を大きく見せかけようとし、人と比較して競争しようとする思いは人間の生まれつきの悪い欲望から出てくるものです。現代社会においては「自分の権利はもっとはっきり主張すべきだ」とか、「目標を大きく設定しなさい」とか、「目標達成のためにどんなことをしてでも努力すべきだ」という言葉をよく聞きます。そのような競争心は、知らず知らずのうちに人をますます人を強欲にならせ、人生そのものを破壊的な競争に駆り立てていることを知るべきです。
神は人間のそのような姿を悲しんでおられます。キリストから遠くへ行ってしまって、行ったどこに行こうとしているのでしょうか。幼い時の偽りのない心はいつから見えなくなったのでしょうか。キリスト者の群れである教会においてさえ、このような「偽りのない心」が消えていくならば、この世界は希望の光を失ってしまうことにならないでしょうか。
Ⅰコリント8章3節で「しかし、人が神を愛するなら、その人は神に知られているのです。」
と語られているように、あなたが偉くなる前に、賢くなる前に、有名になる前に、自分が一体何者であったかを見失わないようにしましょう。
新聖歌
開会祈祷後:141番、メッセージ前:220番、メッセージ後:354番
聖書交読
詩篇 31篇1~8節
お知らせ
★本日の礼拝後に10月度の聖餐式を行います。
★H.Y兄は9月30日より千里リハビリテーション病院に転院されました。
★S.T姉は右手小指骨折のためリハビリ通院中です。
★10月4日(火)に大阪レディーズランチョンがリーガロイヤルホテルを会場にして行われます。講師は柏木哲夫先生です。
2016年度後半の主な教会行事
10月15日(土) オータムフェスタ
10月23日(日) MB教団講壇交換
11月20日(日) 讃美礼拝(マキ&リリー)※お知らせを8月30日に掲載しました!!
12月25日(日) クリスマス礼拝/祝会
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